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コラム

えねきょう「中のヒト」インタビュー(13)不動産経営の視点から関わる再エネ事業

地域のさまざまなタレントが揃う「えねきょう」のメンバー。そしてインタビューはいよいよ最終回!

満を持して登場してくださるのは、えねきょう理事のお一人。協議会設立にも深く関わりのある、片桐道祐(みちひろ)さんにお話を伺いました。





「えねきょうに関わったきっかけは、調布JC(青年会議所)です。同じ仲間だった小峯さんが新たに事業を立ち上げようとしていたときに、不動産会社を経営している私に、採算面などについての相談を受けたのが始まりです。実は、自社が取り扱っている物件に2003年ごろから設置してきているので、太陽光パネルの運用経験がありました。ですから、えねきょうが『公共施設の屋根を借りて太陽光パネルを設置・発電する』という事業を検討し始めた段階で、この事業はビジネスとして確実にうまくいくという自信はありましたね」

現在、調布市内34カ所の公共施設を活用した太陽光パネルによる発電事業は順調。片桐さんはこの発電事業を運営する「調布まちなか発電非営利型株式会社」の代表取締役も務めています。



地域への啓発活動

えねきょうでは、地域のイベントに積極的に参加し、地域の人達に活動を紹介しています。7月23日には、調布市染地にある「多摩川自然情報館」に設置されている太陽光パネルの見学会を実施。この日は午前中に3回の見学ツアーを開催し、各回4〜5組のファミリーが参加。日頃は入ることができない屋上で、ずらりと並ぶ太陽光パネルやパワーコンディショナーの説明を熱心に聞いていました。









この見学会で、片桐さんは太陽光パネルによる発電の仕組み、発電量や設置の仕方などを説明。雲が多めの天気でしたが、比較的順調に発電している様子を見てもらうことができました。

「こういう見学会をやると、やっぱりみなさんの興味がパネル導入のための費用や耐久性にあるとわかります。とくにお父さん、お母さんがたは熱心に質問してくださいますね。耐久性という面では、私自身の事業での経験から『10年以上前に設置したパネルも、やや発電量は落ちていますがほぼ問題なく順調に稼働していますよ』とお答えしています。費用についても現状をお伝えすると、案外安くすむことを知って驚かれることが多いですね。技術の進歩などもあり、以前と比較すれば安く設置できるようになりました」





太陽光パネルに関心はあるけれど、業者に相談するとそのまま設置しなくてはならなくなってしまうという心配がありますね。しかし、えねきょうのような「中立的」な立場の人達が相談に乗ってくれたら安心です。

「実は、えねきょうとして太陽光発電をはじめとしたエネルギーに関する相談窓口を設置することを検討中です。まだしっかり事業化できていないのですが、ご相談があればその都度対応しています」

活動を通して新たなニーズに気づき、更に進化していくのですね。
「そうありたいですね。とはいえ、えねきょうとして次にどんな新しい事業に取り組んでいくかというところはまだ明確になっていません。いろいろ検討を進めてはいますが決め手がなく、難しさを実感しています」

都市部における「分散型メガソーラー」というキャッチーな事業が成功しただけに、その次に続く事業となると、そう簡単に生み出されるものではないのかもしれません。

「たとえば電球をLEDに変えるだけでもお金がかかりますよね。そうではなく今あるものを活用する、お金が無くてもできることを形にする…新たな再エネ事業においても、そんなアイデアを打ち出していきたいと考えています」



調布だからできることがある

「環境を守るために何ができるのか…少し大きな話になりますが、資本主義である以上は拡大再生産でなくては成立しません。資源を食い潰すしか資本主義を守る方法がないのかと考えたときに、新しい環境ビジネスを生み出すしかないと思っています。国家レベルでやっていけたらいいのでしょうが、現実にはなかなか進んでいません。ならば、この調布という程よい規模感の地域だからこそ、何か始められるのではないかと、そう思うんですね」





調布という地域は、「やりやすさ」もあると片桐さん。調布JCが出会いの場ということですが、実は片桐さんの会社は渋谷に、お住いは世田谷だそう。なぜ調布に?
「調布市内にうちが管理している物件がいくつかあった関係で、市内の人達とのつながりがあり、JCにも誘っていただきました。調布ってそういう寛容さがあるんですよね。田舎と都会の中間にある感じがあって、外部の人もウェルカムだし、都会ほどドライではない。実にいい地域だと思います」

実は調布市民ではない片桐さんだからこそ、より調布の魅力を実感しているのかもしれません。そしてえねきょうが検討を続ける調布だからこそ実現可能な再エネ事業。これまで同様、今後も注目され続けることでしょう。


  


  • えねきょう「中のヒト」インタビュー(12)運送会社での経験が環境問題に関心を持つきっかけに 佐橋正文さん

    仕事から得た環境への気づき

    一般社団法人調布未来のエネルギー協議会には、さまざまな入り口から環境やエネルギーに関心を持ち、活動している人たちが集っています。今回、お話を伺ったのは佐橋正文さん。長年、運送会社に勤務していて、海外での経験もある方です。





    「私が環境に関する活動を始めたのは、運送会社に勤務する中、空気を汚さない仕組みや燃料に関心を持つようになったからです。ジメチルエーテル(以下DME)という合成燃料があるのをご存知でしょうか。ディーゼル車の燃料は軽油ですが、排気ガスに含まれる有毒物質が空気を汚し、健康を害するとして問題になっています。このDMEは有害物質がまったく出ないとされていて、燃費もよいのです。また、有機物を材料とした合成燃料ですので、極端な話、ゴミや汚泥からでも作ることができるという優れた燃料なんですよ」(佐橋さん)

    「再エネ」としても有望な燃料なのですね。一般社団法人日本DME協会http://japan-dme.or.jp/という団体もあり、トラックや燃料のメーカーが名前を連ねています。とはいえ、国が力を入れているのは「水素」。DMEがこれからどのように活用されていくか、注目されるところです。

    「DMEは石油や石炭からも生成できますが、それではカーボン・オフセットにはなりません。私としてはDMEをバイオマスで作ることができたらと考えています」





    自宅マンションの共用部をLEDに



    佐橋さんは、えねきょうが創設された直後からのメンバー。ひときわ意識が高く、日々の生活の中でも省エネルギーに力を入れているのだそう。

    「昨年、現在暮らしているマンションの管理組合で理事長になりました。そこで早速、マンションの共用スペースの電球をLEDに変えることを提案、実行しました。効果を実証するために、電気代の推移などデータをとっていて、現状では3割ほど電気代が節約できていることがわかりました。この計算で考えると、3年ほどで電球代金の元が取れることになります」

    佐橋さんのマンションで記録されているLEDによる電気代のデータは、えねきょうにも提供。今後の事業に活かしうるデータであり、大変貴重なものと評価されています。
    共用部分で省エネするぐらいですから、ご自宅ではかなりの省エネを実行しているのでしょうか?

    「少しずつですが省エネを実行しています。たとえば切れた電球からLEDに変えたり、最近は電気釜でご飯を炊くのをやめたり。ご飯は厚手の鍋で1合ずつ炊いているんですよ。電気のアンペアも20Aまで下げました。そのため、電気製品をいくつも同時に使うことはできず手間もかかります。しかし、結果として環境に負荷がかからないのですから続けるつもりです。私は、国としての温暖化防止への取り組みは十分ではないように思っています。省エネより経済優先しなくてはという風潮もありますが、温暖化防止に取り組むことで新しい技術が生まれ、結果として経済的に豊かになることも考えられるのですから」

    おだやかな表情の佐橋さんですが、その奥底には環境を守りたいという熱い思いが感じられました。


    地域に根ざした活動も



    佐橋さんは調布市つつじケ丘に生まれ育ち、就職後しばらくは転勤族として調布を離れていましたが18年前からまた同じつつじケ丘に暮らしています。

    「今は出身校でもある滝坂小学校の地区協議会にも参加しています。それからつつじケ丘駅前で活動している『つつじケ丘花のまちプロジェクト』のメンバーとして花を植えるボランティア活動もしています。つつじケ丘の駅も新しくなって、毎年やってきていたツバメももう来ないのかなあと思っていたら、ちゃんと帰ってきてくれました」



    温暖化という地球規模の課題も、まずは足元から。日々の実践を続ける佐橋さんは、これからもえねきょうの主軸メンバーとして活躍されるに違いありません。
      


  • えねきょう「中のヒト」インタビュー(11)電力を自給自足する「えねこや」を建築中 湯浅剛さん

    多彩なメンバーが揃うえねきょう。今回の「中の人」インタビューは、建築家の湯浅剛さんです。





    訪ねたのは深大寺にある湯浅さんのご自宅。以前は湯浅さんの事務所「アトリエ六曜舎」の事務所として使っていたそう。



    ▲今はご自宅として暮らしている家には、以前のまま看板が。



    そして隣接した土地には、「原発のない暮らし@ちょうふ」が湯浅さんを中心に企画を進めている「えねこや」を建築中でした。



    ▲建設現場で、説明中の湯浅さん。



    「えねこや」とは?

    本コラムで、前々回に登場した菅野千文さんのインタビューから、あらためて「えねこや」の仕組みについて一部抜粋してご紹介しましょう。

    「『えねこや』とは電力を自給自足し、少ないエネルギーで気持ちよく暮らせるという小屋のこと。コンパクトな小屋の断熱性と気密性を高め、涼しさ、暖かさをキープします。軒や庇、植物などで日当りを調整したり、窓やドアを四方に設けて通風も確保します。そして太陽光発電パネルと蓄電池、太陽熱温水器やペレットストーブ、雨水利用などのエコ設備も適宜設置します」(菅野さんインタビューより)

    既存の住宅を「減築」により建物の冷暖房容量を減らし、屋根面積を確保することで十分な太陽光発電パネルを設置するのだそう。災害時にはそのエネルギー面での自立性を活かして、地域の防災拠点にもなりうる画期的な建築です。
    「もとは高齢のご夫婦が暮らしていた家でしたが、いろいろな経緯を経てご家族から購入させていただくことになりました。私たちにとっても思いがけない展開でした」






    ▲パネルも蓄電池もすでに準備万端です。



    「断熱材やサッシも断熱性、気密性の高いものを使います。日本の住宅で使われている断熱材は厚み10センチ程度のものが主流ですが、ドイツなどでは厚みが40センチにもなる超高断熱の住宅もありますのでちょっとした暖房だけで部屋はずっと暖かさをキープします。今後はさらに高性能なサッシや断熱材が日本でも普及することになるでしょう」



    ▲建設中の「えねこや」模型を前に解説。



    ガラスも二重ではなく三重のものを使うとのこと。断熱効率は格段によくなりそうです。えねこや第1号では、これまでもえねきょうコラムで話題の「ペレットストーブ」を導入予定だとか。

    「今、使っているこの無電力のペレットストーブをえねこやに設置する予定です」





    えねこや1号の完成が本当に楽しみですね!ところで、完成したらどのように使われるのでしょう。

    「別の場所にある私たち夫婦の建築事務所を、こちらに移転させる予定です。そして一部はコミュニティ・スペースにしたいと考えています。ただ、駅からは遠くてアクセスはあまりよくありませんから、どのように活用すべきか悩んでいるところです。できれば子ども向けに何かできたらいいのですが。地域の子どもたちに、実際にえねこやの設備を見てもらったり、心地よさを体感してもらうことで環境への関心を高めてもらえたらと。今後増やしていく予定の「えねこや」ではカフェにするとか、市民活動の拠点にするなどのアイデアがあります」

    実際にどのように運用するかはまだ未知数ですが、防災面でも強い「えねこや」が、地域の人たちの「居場所」になるのであれば、こんな素敵なことはありませんね。


    えねきょうとの出会い

    湯浅さんがえねきょうに参加したきっかけは?

    「えねきょうの存在は、以前から何となく知っていました。たまたま、私が所属する『原発のない暮らし@ちょうふ』のメンバーでえねきょうに参加している人から「何かのきっかけになるのでは」と誘われ、代表の小峯さんお目にかかりました」

    えねきょうに入ったことで、地域のいろいろな場で「えねこや」構想について話す機会もが得られたのだそう。事業化にあたってもたくさんのヒントを得ました。

    「事業性については、いろいろ勉強させてもらっています。いくら素晴しいコンセプトがあっても、採算がとれなくては意味がありません。資金的な問題を含め、自分たちだけでなく、柔軟に『恊働』しなくては広がらないということにも気づけました。この出会いには本当に感謝しています」






    広がりを持たせるためにも、新築の「えねこや」だけでなく、既存の物件を効率よく「えねこや」にリノベーションするための仕組みづくりも急がれます。空き家の有効活用にも一役買うことになるでしょう。調布から始まった新しい「電力自給自足の小屋」の今後にご期待ください。  


  • えねきょう「中のヒト」インタビュー(10) 発電事業実現のキーマン 梶原良介さん

    調布市深大寺に本社を構える、株式会社調布清掃の代表取締役・梶原良介さんは、えねきょうの創設メンバー。地域の仲間が力をあわせ、短期間に実現した調布市における分散型メガソーラー事業のキーマンでもある梶原さんにお話をうかがいました。




    ◎よきパートナーとの出会い

    株式会社調布清掃の代表として、260人ほどの社員のトップである梶原さん。先々代が創設して以来51年の、歴史ある企業です。

    「当時、祖父がリヤカー1台で始めた会社です。そのリヤカーは今も倉庫に置いてありますが、社員がピカピカに磨き、メンテナンスしているので新品同様なんですよ(笑)。旧社屋には初代が植えた柿の木があって、2年に1回は大豊作。味も抜群に美味いんですよ」

    社員のみなさんが、会社を大事に思っている証拠ですね。調布清掃の現社屋は、2年ほど前に新築されたばかり。清潔感あふれたたたずまいは、「素直さ」「正直さ」を大事にしている社風がにじみ出ているかのようです。ゴミの収集だけでなく、処理やリサイクルといった事業まで幅広く手がけているということは、環境に対してもひとかたならぬ思いがあるのでは?

    「わが社は確かに環境保全の一端を担っているかもしれません。とはいえエネルギーという課題と地続きだという感覚もありません。エネルギー事業については、うちの会社の一枚看板で取り組むのは難しいところもあります。そういう意味で、えねきょうは素晴しいパートナーなのです。僕がえねきょうに関わったきっかけは、代表の小峯さんの存在が大きいですね。小峯さんとは調布市青年会議所(以下JC)で出会いました。そこで出会った4人が、今のえねきょうの中心メンバーです」


    ◎「神がかり」なタイミングで実現した地域発電事業

    メンバーそれぞれがスペシャリストの集団ともいえるJC。梶原さんは、調布における「分散型メガソーラー発電事業」を行政に橋渡しする重要な役割を担うことになりました。

    「ある日、小峯さんが前職を辞め、地域で環境、エネルギーに関する事業を始めたいと打ち明けてくれました。コミュニティでエネルギーを持ちたい、これからの時代はエネルギーなのだと言うのです。話を聞いた僕たちはみな『いいじゃないか』とすぐさま賛同しました。内心、6割ぐらいの感じで無理なのではないかとも思っていたんですけれどね(笑)。そんな中、JCのメンバー4人でああでもない、こうでもないと事業案を練り、まずは市役所の所轄課に話だけでもしてみようとなったのです」

    梶原さんが、事業を通して市役所と日頃の付き合いがあったから、担当者との面会はスムーズ。そしてそこでまさに「神がかり」な出来事が!

    「本当に偶然なのですが、私たちが市役所に行った日の午前中に、役所内でCO2削減の取り組みのひとつとして、エネルギーに関する事業を市民といっしょにできないか、という話が出たというのです。ただ、どこの誰にそれを頼めるのかが難しいという話になっていたのだとか。そこへ、私たちが訪ねて行った。やる気のある市民が、そういう人たちを捜している行政のもとへひょっこりやって来たというわけです」

    その後の進展はスピーディ。打ち合わせを重ねる中で事業はどんどん具体的に動き始めました。そしてさらにタイミングが合ったのは環境省の補助金です。申請まで2週間しか時間がなかったにも関わらず、なんとか射止めることができたのです。こうして、調布市の公共施設の屋根を借りて行う「分散型メガソーラー事業」が実現にこぎつけました。



    「行政との出会い、補助金と、すべてがダイナミックに動きました。行政担当の方のご苦労は、前例がない事業だけに大変だったと思います。担当課長が、たまたま建築関係の専門性をお持ちだったことも、事業の推進につながりました。もはやこの事業の実現は、運命だったと言ってもいいぐらいです」





    ◎地中熱エネルギーのヒートポンプも設置

    現在、梶原さんはえねきょうの理事として、さらなる地域エネルギー事業の検討、推進に力を入れています。その1つが調布清掃の新社屋に設置された「地中熱エネルギー」を利用するための設備です。地熱発電とは違うんですよね?

    「地中の温度は年間を通しておよそ15度前後と安定しています。夏は外気より涼しく、冬は温かいというこの温度差を利用するというのが、地中熱エネルギーの考え方です。現在、調布清掃ではオフィスのエアコンに利用しています。この建物は、東京都の「エコアクション21」の認証も受けているんですよ。
    地中熱エネルギーを使うことに決めたのも、小峯さんの提案がきっかけでした。半額程度ですが補助金も取れそうだったし。まだこれからの分野ですが、経済的効果、環境効果はもちろんですが、えねきょうのメンバーとして、啓蒙活動にもつながると考え、やってみようと思いました」





    ▲社屋の一角にある、地中熱エネルギーのヒートポンプと解説パネル。


    新社屋の屋上にはもちろん、ソーラーパネルも設置されています。また調布清掃として群馬県に2000坪ほどの土地を縁あって借り、太陽光発電事業も行っているのだそう。

    「群馬県での発電、地中熱エネルギーの取り組み、そしてえねきょうとのつながりなどについては、社内報を通して社員にも伝えています。会社が別の分野でも地域や環境に貢献していることは、社員にとっても自信につながるのではないかと思います」




    ▲群馬県高崎市の太陽光発電施設の写真を持つ梶原さん。


    エネルギーを通して地元への貢献を実現している梶原さんは、地元調布生まれの調布育ち。

    「調布が大好きです。調布から出たことがないので説得力はないかもしれませんが、調布は人がいいし、ノリがいい。『いいじゃないか、やってみようよ』という気質があります。互いの違いを認めながら、ときにはパートナーを組める。えねきょうの事業も含め、『いいだろう』って自慢したいですね」









      


  • えねきょうの「中のヒト」インタビュー(9) 普通の主婦がエネルギーをテーマに活動を始めた理由 菅野千文さん

    調布は都心に比較的近いのに、自然環境が豊かな地域です。15年ほど前、その環境にひかれて調布に居を構えたという菅野千文さん。そして今年(2015年)6月にえねきょうのメンバーとなりました。



    ◎とにかく調布で暮らしたいと思ったわけ

    菅野さんはご夫婦で自然が大好き。週末はよく子どもたちを連れてキャンプに出かけていたのだそう。

    「もちろん毎週キャンプというわけにもいきません。緑豊かな公園へよく遊びに行っていました。都心で暮らしていたのですが、実はそのころから野川公園が大好きだったんです。『野川公園の近くに住みたい!』という思いがつのり、上の子どもが中学校に上がるタイミングでこちらに引っ越しました。ところがすでに下の子も小学校5年生になっていましたので、家族で公園へ出かけることはめっきり減ってしまって…。調布に来てからは、数えるほどしか行けていません。近くて遠い野川公園になってしまいました(笑)」


    現在「原発のない暮らし@ちょうふ」という団体で積極的に活動しているという菅野さん。とはいえ、エネルギーに関心を持ち始めたのは原発事故以降なのだとか。

    「私はごく普通の専業主婦で、活動などまったく縁のない暮らしをしていました。原発は何となくいやだな、と思っていた程度です。関心を持つようになったのは1999年の東海村JCO臨界事故がきっかけです。ちょうど家を探しているところだったので、せめて自分の家はと太陽光パネルを設置しました。それでもまだ、原発についての活動をしようなどとは思ってもいませんでしたけれどね」





    活動のきっかけになったのは、2011年3月11日の東日本大震災による福島原子力発電所の事故でした。

    「事故があって、それまで原発に無関心だったことへの罰かもしれないと思いました。声を上げることはしなかった自分にも責任はあるなと」

    そんな思いから「原発都民投票」を実現するための署名活動に参加。この署名では22万筆、調布だけで1万筆が集まりました。しかし都議会で否決され都民投票は実現せず。「あんなに頑張ったのに…」と報われないことへの無力感はあったものの、活動を通して仲間と出会い「原発のない暮らし@ちょうふ」の活動をスタートさせました。



    ◎えねきょうとの出会いで、広がった世界

    「原発のない暮らし@ちょうふ」は、自分たちの身近な暮らしから考え、脱原発について学んでいこうという団体。活発に勉強会を実施しています。とはいえそれだけでは不十分だということにも気づいていました。そんなときに出会ったのが調布未来のエネルギー協議会、通称えねきょうです。

    「えねきょうは、あえて脱原発ではなく『まちづくり』をすることを目的にしていて、そのための手段が『再生可能エネルギー』だというスタンスをとっています。しかも市内で発電事業を実践につなげているところが素晴しいと思いました」

    えねきょうとの出会いが、菅野さんの世界を広げました。単なる理想主義ではなく、採算も考えた冷静な事業展開の重要性をあらためて感じ、これからどう行動するかを考え始めています。

    「今、『原発のない暮らし@ちょうふ』で知り合った建築家の方を中心としたメンバーで取り組んでいるのがゼロエネルギーハウス、名付けて『えねこや』プロジェクトです。『えねこや』とは電力を自給自足し、少ないエネルギーで気持ちよく暮らせるという小屋のこと。コンパクトな小屋に断熱を施すことで気密性を高め、涼しさ、暖かさをキープします。軒や庇、植物などで日当りを調整したり、窓やドアを四方に設けて通風も確保します。そして太陽光発電パネルと蓄電池、太陽熱温水器やペレットストーブ、雨水利用などのエコ設備も適宜設置します。私たちは、まずは試験的に作ってデータを取り、実現に向けてその検証をしていく計画です」




    「えねこや」は再エネではなく省エネの考えに基づくもの。いずれは地域の空き家を減築して活用することも視野に入れています。そして子育てカフェなど市民の居場所としての運営も検討しているのだそう。
    「多くの人に使ってもらうことで、エアコンでは得られない快適さを体験してもらえれば」と菅野さん。

    小さいエネルギーで生活できる「えねこや」の実現が、がぜん楽しみになってきましたね!

    「難しい顔をして活動するより、わくわく、楽しんで活動していきたいと思っています」(菅野さん)


      


  • えねきょうの「中のヒト」インタビュー(8) えねきょうの「勘定吟味役」!原島秀一さん

    今回インタビューさせていただいたのは、多彩なメンバーが集うえねきょうの中で、「お金」にまつわる部分を強力にサポートしてくれている税理士の原島秀一さん。穏やかな笑顔の中には、地域や自然エネルギーに対する確固たる想いがありました。




    ◎えねきょうが「お金を正しく使う」ことに貢献

    原島さんは本職(税理士)の知識を活かし、えねきょうの会計や職責を監査する「監事」を務めています。えねきょうとの出会いは調布市青年会議所のJCメンバーとして、代表の小峯に出会ったこと。

    「先輩の誘いは断れないという理由もありました(笑)、というのは冗談です。自然エネルギー事業には将来性を感じますし、信頼している小峯さんがやることは間違いないと思ったので、自分が持つ知識を地域や地球環境のために使って欲しいと思いました」と、まっすぐなまなざしで話してくれました。

    再生可能エネルギー関連の制度は、ここ数年でめまぐるしく変化しています。本職の知識の他に、えねきょうのための知識も身に着ける日々。ただでさえ難しい税金まわりのことを専門的にアドバイスしてくれる原島さんは、えねきょうにとって無くてはならない存在です。

    「公共施設の屋根を借りて行っている、調布まちなか発電の分散型メガソーラー事業は、ゆくゆくは利益を地域に還元することを目標にしています。そのために、あるお金を正しく、計画通りに使えるよう監査することが私の役目。やりがいはたっぷりです」(原島さん)。


    ◎「地域の仲間」と共に

    調布生まれ、調布育ち、そして現在も調布市民の原島さんですが、地元の友達は実はあまり多くないのだとか。

    「子どものころから一人でおとなしく机に座って本を読むのが好きなタイプだったので、小峯さんのようなガキ大将タイプの友達はもちろんいませんでした。そんな自分を鍛えたいと、大人になってから地域の消防団に入ったのがきっかけで、JCにも入ることに。そこからは、まさに”鍛えられた”日々でした(笑) 」

    そこで出会い、現在はえねきょうメンバーとして共に活躍している仲間もたくさんいるそうです。




    「他人を思いやる心」をこれからも…

    えねきょうの活動や自然エネルギーに対する原島さんの思いとは?

    「昔からエネルギーに関して関心があったわけではありません。大きなきっかけは東日本大震災です。原発問題は、やはり無視できない。とはいえ、声高に原発反対と叫ぶことはしていません。まずは他人事でなく自分事として、この問題と向き合いたい。私たちが毎日使う電気のために、原発のまわりに住む人々が今まで通りの生活を送れなくなってしまったことを申し訳なく思っています。私がずっと調布に住んでいるように、その土地に先祖代々何百年も住んでいた方もいらっしゃるでしょう。そういった方々のためにできることとして、えねきょうのお手伝いをさせてもらっているつもりです」

    そんな原島さんの未来への想いも、その考えに通ずるものがありました。

    「みんなが、他人のことも大切にする世の中になってほしいなと思います。自分のことだけで精一杯という方も多いかもしれませんが、そんな中でも、やさしさや思いやりを持つことはできますよね。エネルギー問題に目を向けると、おのずとその視点が生まれると思います。私たちがこれまで享受していた便利さと引き換えに、今でも苦しんでいる方がたくさんいるのですから。311のあと、エレベーターが使えなかったり計画停電になったりしましたが、それに文句を言う人はいませんでしたよね。あのころのような気持ちを、これからもみんなが持ち続けていけたらいいなと思っています」


    休日はFC東京サポーター夫婦!

    そんな原島さん、休日はFC東京の試合観戦のためにホームの試合がある味の素スタジアムだけでなく、日本各地のアウェー戦にも足を運ぶコアなサポーターなのだとか。調布にスタジアムができて初めての観戦で、夫婦ともにすっかり魅了されてしまったそうです。

    自分が住む街に大きなスタジアムがあり、Jリーグのサッカーチームがあることは、調布市民の誇りですよね。えねきょうも、「自然エネルギーを活用する街」として市民のみなさんに誇りを持ってもらえる存在でありたいもの。原島さんにはFC東京だけでなく、えねきょうのサポートも、今後ともお願いします!
      


  • 教えて小峯さん!アメリカのエネルギー事情Vol.2

    アメリカ国務省主宰の「International Visitor Lseadership Program」に参加してきた調布未来のエネルギー協議会代表の小峯さんに、えねきょうブログ担当のコバヒロがお話を伺うインタビューの第2弾。今回はカリフォルニア州にある地域電力事業者「SMUD」の取り組みについて伺います。

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    ■アメリカの地域電力事業会社

    コバヒロ アメリカのエネルギー事情は、視察前に想定していたものと違ったこともたくさんあったようですが、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。

    小峯 アメリカと言うと、経済や利回りが最優先され、特定の電力事業者が大型発電所を所有し、送配電線網も独占していて、ものすごく儲けているというイメージを持っていました。もちろん地域独占的な大規模電力事業者が存在している州もあるようですけれど。今回訪れたカリフォルニア州には、第二次世界大戦前の1923年から市民が株主となった地域電力事業者があると知りました。

    コバヒロ 長い歴史を持つ会社ですね!1923年というと90年以上前から!どのような会社なのでしょうか?

    小峯 SMUD(Sacramento Municipal Utirity District)。日本語で直訳するとサクラメント地域自治電力とでも訳すのでしょうか。

    カリフォルニア州にはPG&E(Pacific Gas and Electric Company)のような古くからある大企業もあるのですが、このSMUDは1946年に当時地域送配電線網を独占していたPG&Eから送配電線網を買い取り、25年以上も前から太陽光発電を導入したり、現在ではSolano地区で102メガワットの風力発電を所有したりしながら、サクラメント郡周辺地区で60万以上の顧客へ電力供給を行っています。そしてこの間ずっと、サクラメント郡周辺地区において、安価で信頼性の高い電力を提供しています。

    コバヒロ 歴史があるだけでなく、実績もすごいですね。アメリカが自然エネルギーに関して先進国だということを実感します。

    小峯 これまでえねきょうで行ったセミナーでは、ドイツや北欧の市民主導型の地域電力会社、例えばシェーナウ電力のような電力会社を紹介してきましたが、まさか市民が立ち上げた電力会社が、しかも90年も前からアメリカに存在していたとは、大変な驚きでした。


    ■スマートメーター導入


    コバヒロ SMUDでは「スマートメーター」も視察してきたそうですね。そもそも、スマートメーターとは?

    小峯 スマートメーターは、デジタルで電力量が検針でき、データ化が可能なメーターのことです。
    日本でもこれから順次導入される予定ですが、アメリカでは一足先に導入が進んでいます。しかしながらその普及率は2011年時点で全米22%程度です。それに対し、SMUDが契約している家庭では、60万以上の全顧客に対しスマートメーターの導入が完了しています。


    ▲スマートメーター導入の様子。



    コバヒロ 60万以上の全顧客にスマートメーターの導入が完了していることは、どれくらいすごいことなのでしょうか?

    小峯 各家庭の電力使用量データを把握することが可能となるため、SMUDでは契約者が消費する電力量をリアルタイムで予測し、夏季など電力供給力に対し需要が多過ぎる場合などは、戸別に電力需給抑制(デマンドレスポンス)を要請することができるようになります。
    さらに、各家庭の電力消費量が把握できるということは、専門的視野から各家庭に対する日常的な省エネルギーのアドバイス、改善策提示もできるようになり、電力供給量の全体的な削減、設備投資の効率化にも繋げることができるようになります。

    コバヒロ なんと効率的!理想的なカタチですね!

    ■地域エネルギー会社らしい地道な事業

    コバヒロ ほかにも、地域でのSMUDの存在感は大きかったそうですが…。

    小峯 SMUDでは発電事業や送配電網に関連する大規模プロジェクトばかりを行っているわけではありません。私たちがサクラメント市内で訪れた「Hot Itarian」というイタリア料理のお店では、SMUDが店舗設計から関わることで、エネルギー効率の良い営業を行っていました。

    コバヒロ 具体的に、どのような工夫がされているのでしょうか。

    小峯 たとえば平屋建物の屋根面の断熱層を厚くしたことや、太陽熱温水器による熱利用、間接照明の多く使うこと、照明のレイアウト変更、エアコンの吹出し方法の変更等です。


    ▲左:Hot Itarian店内の様子。 (右)太陽熱温水器。



    ■食品残渣のバイオマス利用

    コバヒロ Hot Itarianでは食品残渣のバイオマス利用もしていたそうですね。

    小峯 えねきょうでも昨年事業化について検討した、食品残渣のバイオマス利用も行っていました。調布ではメタン発酵によるガス化で検討しましたが、Hot Itarianでは敷地内に大きなバケツのような器で発酵させ、お店が契約している野菜生産農家に肥料として分けているとのことでした。


    ▲食品残渣バイオマス利用。右側に停まっているのが生ごみ収集自転車。



    小峯 この仕組み自体は日本でも行っている企業が多いですが、Hot Itarianの趣旨に賛同している近隣の飲食店から大きな自転車で生ごみを運んでくるというのは、何ともユニークでエネルギーを楽しんでいるように感じられました。この自転車、荷台が後ろではなく前に付いていましたが、身長170cmの私では漕ぐことができませんでした。


    ▲荷台部分が前輪についています!



    小峯 そして何より、オーナーのお話では、エネルギー効率を上げて経費が下がり、利益が上がった分で料理の単価を下げることができることは、地球にとってもお客様にとっても素晴らしい好循環だと仰っていました。このように、SMUDでは飲食店のエネルギー効率の改善のコンサルティングを行っていて、お店のオーナーにも大変感謝されていましたが、これは今後えねきょうでも参考にできそうな感じがしました。

    コバヒロ みんながハッピーになれる、理想的な循環ですね!

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    小峯さんの視察ツアーはまだまだ続きます。つい先日も北海道の下川町に木質バイオマスを利用した地域熱供給システム見学に訪れました。こちらもレポートも後日公開予定です。
      


  • えねきょうの「中のヒト」インタビュー(7) 多摩川地区の防災環境を整える 竹口裕さん

    えねきょうのメンバーとして日頃活動に参加してくれている方々に、エネルギーや調布への想いについて伺う「中のヒト」インタビュー。7回目となる今回は、京王多摩川駅近くに住居を構え、地域の防災活動を行う竹口裕(ゆたか)さんにお話を伺いました。




    ◎生まれ育った調布で、定年退職後の日々を過ごしています

    生まれてすぐに調布に引っ越してきて、以来自宅はずっと調布。しかし転勤族だったため大学卒業後は全国を転々とする生活だったそうです。調布に再び住み始めたのは定年退職後からという竹口裕さん。現在は地域のために活動中の日々。多摩川地区の防災環境整備に尽力していて、避難所の運営や、緊急時災害用ポンプの管理などを行っています。


    ▲京王多摩川駅近くにある「緊急時災害用ポンプ」からは、下を流れる府中用水の水がたっぷり出てきます。毎月第2土曜日の9時から放水しているそうなので、お近くの方はお出かけしてみては?




    ◎エネルギーを「使う」ことで価値を見出したい

    そんな竹口さんがえねきょうのメンバーとしても活動を始めるきっかけは?

    「えねきょうのメンバーに入ったのは、じつはあまり深く考えていなくてね。代表の小峯さんとは以前から顔見知りでした。地域や未来の環境のためにずいぶんすばらしいことをしているなとずっと思っていて。協力するつもりで会費を支払ったら、いつの間にかメンバーになっていたという経緯です」(竹口さん)

    他のメンバーほどの熱や強い意志はないと話すものの、今のエネルギーへの考えは、確固たるものがあるようです。

    「電気料金を購入する先が、今のように1つの会社だけという状況は本来あるべき姿ではないと思っています。私たちは電気がなくては生活できないのに、たった1社から買うしかない。“支配されている”と言っても過言ではないですよね。エネルギーはつくることも購入先を決めることももっと自由であるべきです。どこのエネルギーを使うかは、その価値を認めるというアクション。これから始まる電力の自由化では、自分で価値を見出したところから買い取りたいですね」

    そんな竹口さんが大切にしているのは、情報を自分自身で判断する」ということ。そのためには、情報を俯瞰して、とことん客観的に読み取ることが必要なのだそう。

    「大学生のときにお世話になった先生から言われた言葉がきっかけとなって、そう思うようになりました。新聞などのメディアでは、何を目的にどういう情報が流されているのかを考えるべきだと。定年退職間際にインドネシアに赴任したことも、そう考えるようになったきっかけとして十分だったように思います。日本という国を客観的に見るようになり、もの見方が変わりました」

    何事も正しく理解して客観的に判断するという視点は、今活動している災害対策にも活かされています。そうして「街づくり」に積極的に関わることで、ただ住んでいるだけではなにかと受け身になりがちなことも、「自分たちでどうにかしなければ」と思えるようになるのだとか。えねきょうへの参加は、私たちのまわりで流れている情報が本当に正しい
    か判断するための材料を得る場でもあるのだそうです。


    ▲京王多摩川駅から狛江方面へ続く通りから1本入った遊歩道。実はこの下には水が流れる「暗渠(あんきょ)」だそう。散歩しながらインタビューさせてもらいました。




    ◎調布は「バランスのいい街」


    日本国内のさまざまな地域だけでなく、海外でも生活をしてきた竹口さん。調布を客観的にみるとどんな街なのでしょうか。そして、今後の展望は?

    「調布はいろいろなものが適度でとてもバランスがいい街だと思います。自然があって、都心にも近い。深大寺や多摩川などバラエティーに富んだ景色がある。ギラギラせず、素直な人が多いのも調布の特徴ですよね。そんな環境がつくる抜群のバランス感覚を活かして、エネルギーや食糧を素直にバランスよく消費する街であってほしいです」


    間もなく、電力を自分たちで選ぶ時代がやってきます。竹口さんがたびたび口にする、情報を客観視する視点やバランス感覚は、選び方のヒントになりそう。消費者としてどうあるべきかを学んだインタビューでした。  


  • 教えて小峯さん!アメリカのエネルギー事情

    調布未来のエネルギー協議会代表の小峯さんが、アメリカ国務省主宰の「International Visitor Lseadership Program」において12日間の日程を終えて帰国しました。そこでプログラムの概要や、アメリカでの再生可能エネルギーやエネルギー効率化について、日ごろえねきょうブログを担当している私、コバヒロが聞きました。





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    コバヒロ どのようなプログラムに参加してきたのでしょうか?

    小峯 今回私がアメリカを訪れることができたのは、アメリカ国務省が実施している「International Visitor Leadership Program」に推薦していただいたからです。このプログラムは実は1942年から行われていて、世界各地から毎年4,000人以上のビジターが900以上のプログラムを通して参加しています。日本からのプログラムは1953年に始まり、様々な分野で活躍する40人程度の日本人が毎年参加しています。

    コバヒロ プログラム参加者はどのような方たちですか?また、このプログラムの目的は?

    小峯 政治、マスコミ、教育、経済、犯罪防止、科学、環境、人権等の分野で、指導的な立場にある人や、今後そうした立場に立つ可能性のある人が対象です。在外アメリカ大使館によって選ばれた参加者がアメリカを訪れ、同じ分野で仕事をするアメリカ人と会談し、個人レベル、・職業レベルのコミュニケーションを通じて相互理解を深めることを目的としています。

    コバヒロ とても刺激的なプログラムですね。ちなみに、今回は往復の航空券も手配してもらえたのですよね!

    小峯 このプログラムでは往復の飛行機代以外は全てアメリカ政府が負担してくれるのですが、今回はさらに米日カウンシルのTOMODACHIイニシアチブのご協力で往復の飛行機代まで負担していただきました。ありがたいことです。

    コバヒロ アメリカのどこに行ったのですか?

    小峯 カリフォルニア州とコロラド州の施設や団体(下記)を訪問して視察やミーティングをしました。

    ★行政関係★
    ・California Energy Commission(カリフォルニア州エネルギー委員会)
    ・Office of Sustainability(デンバー環境局)など

    ★研究機関★
    ・Bloom Energy(ブルームエナジー)、Hanergy(ハナジー)などのメーカー
    ・National Renewable Energy Laboratory(NREL国立再生可能エネルギー研究所)
    ・U.C. Davis(カリフォルニア大学デービス校)
    ・Colorado School of Mines(コロラド鉱山大学)など

    ★スマートグリッド事業者★
    ・Clean Colition(クリーン・コーリション)
    ・Sacramento Municipal Utility District(サクラメント市民電力地区)など

    コバヒロ 実際に行ってみて、いかがでしたか?

    小峯 訪問前、オバマ大統領が就任当初打ち出したグリーンニューディールに基づく環境政策は、アメリカ国内ではあまり評価されておらず、シェールガスに偏重したエネルギー政策なのだろうと思っていました。ところが、現実は全く違っていたので驚きました。

    訪問先がカリフォルニア州、コロラド州という比較的民意が高い州だったということもあると思いますが、コロラド州は鉱物採取、石油産業が強い地域であるにもかかわらず、再生可能エネルギーや省エネルギーに対して積極的な政策を打ち出しているのです。

    コバヒロ どうしてそのような政策に?

    小峯 ミーティングを通じて、エネルギーの安全保障面や多様化を目指して再生可能エネルギーを導入することよりも、むしろエネルギーの効率化を目指して再生可能エネルギーを導入することを重要視しているのだということを感じました。

    今年12月にパリで行われる、国連気候変動枠組条約の第21回締約国会議(COP21)で2020年以降の温室効果ガス削減目標が定められるという時期的な問題もあるかもしれませんが、カリフォルニア州では2030年までに再エネ50%導入を目標としていますし、コロラド州では2020年までに再エネ導入比率30%を目指していて、エネルギーの効率化、既存エネルギーからのシフトに対して、とても意欲的な目標を設定していました。





    コバヒロ 日本とアメリカの、エネルギーに対する考え方の違いは大きいのでしょうか?

    小峯 日本でエネルギーを議論するときは、たいていはエネルギーミックスの話題に直結します。先日も経済産業省が2030年のエネルギーミックスについて、原子力を20%~22%、再生可能エネルギーを22%~24%としる骨子を出しましたが、その比率の多い少ないだけが話題になっているように思います。

    ところがアメリカではエネルギーミックスよりもエネルギー効率化、エネルギーシフトに主眼が置かれているのです。アメリカと日本では歴史・文化の違い、エネルギー自給率の違いはもちろんありますが、アメリカ人のように、「エネルギー対策はかっこいい」という価値観が、日本でももっと一般的になったらなと思います。

    小峯 今回のプログラム参加者の中でジャズ好きな方がいらっしゃいました。彼は今回のプログラム中、毎晩のようにサンフランシスコやデンバーのジャズ・バーに行き、現地の方々とセッションしていたのです。その彼がジャズ・バーの方々に「お前の仕事は何だ?」と聞かれ、「Cleantech関係だ」(アメリカでは再生可能エネルギーや電気自動車などエネルギー効率化に関連する分野を総称してClean technology略してCleantechと言います)と答えると、体の大きな強面の輩からも「Great!」と言われたそうです。これこそ、アメリカではエネルギー対策はかっこいいという認識が広まっているという現れだと思いました。

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    調布でもえねきょうの活動によって、「エネルギー対策はかっこいい!」と思う方々が増えるようにしていきたいですね。今回の小峯さんのアメリカ訪問での経験が、きっとこれからのえねきょうの活動にも活かされることでしょう。

    今後もえねきょうにどうぞご期待ください!  


  • 再エネ事業アメリカ視察レポート




    えねきょう代表の小峯さんがアメリカ国務省主宰「International Visitor Lseadership Program」に招待され、10日間の日程を終えて本日帰国しました。
    詳細については後日このコラムにて小峯さんが報告する予定ですので、今回はその概要について少しだけご紹介します。

    この視察の目的は、カリフォルニア州やコロラド州の地域に根差した自然エネルギー事業や政策を視察して理解することにより、日米の協力関係を築くこと。

    アメリカは再生可能エネルギー事業においても先進国と言われています。米国エネルギー情報局(EIA※)によると、アメリカ国内における再生可能エネルギー消費量の割合は、総エネルギー消費量の約10%を占めているというデータが公開されています。(2015年3月31日現在)
    詳細はこちら>>>

    しかも、アメリカでは連邦レベルで再生可能エネルギーの導入目標を定めた「クリーンエネルギー・安全保障法」の中で、2020年の電力需要の20%を省エネと再生可能エネルギーによってまかなうことを目標として定めているのだそうです。

    国土の広さから、風力発電も盛んなアメリカ。



    ▲こちらの写真は、視察中に小峯さんが撮影したカリフォルニア州サクラメント川河口にあるウィンドファーム。2メガワットほどの発電力がある風車が何百本あるか分からないほど並んでいたそうです。(小峯さんのfacebookから)



    日本では国土や天候の条件がそろわず、あまり見かけることのない風力発電ですが、こうやって見渡す限り風車が並ぶ光景は圧巻ですね。

    カリフォルニア州サンフランシスコ市では、市の環境政策課も訪れました。サンフランシスコは、昨年北米で「最も優れた環境都市(Greenest city)」に選ばれたそうです。エネルギーに関して環境に配慮したシステムを採用した企業には、経済的インセンティブが与えられ、エネルギー効率利用と再生可能エネルギーの導入に市をあげて力を入れている都市なのです。
    ここではクリーンエネルギー電力会社「ハネジーアメリカ」や、小規模分散型エネルギー社会への移行を提言する非営利組織「クリーン・コアリション」なども訪問しました。


    ▲サンフランシスコの町並み。(小峯さんのfacebookから)



    カリフォルニア州の北部では、「カリフォルニア大学デービス校」も視察しました。大規模な太陽光発電設備が導入されていて、学内で使う電力の14パーセントをこの太陽光発電をまかなっている のだとか。学内には「エネルギー効率センター」という部署もあり、再生可能エネルギーの導入において、民間企業や州政府、大学関係者の連携を担っています。


    ▲カリフォルニア大学デービス校へ向かう道にて。緑が多く、気持ちのよい都市だったそうです。(小峯さんのfacebookから)



    コロラド州では州レベルで再生可能エネルギーの普及に取り組んでいて、さまざまな企業や行政を視察しました。オフの1日はこんな絶景にも遭遇!




    この美しい自然をこれからもずっと残すために。アメリカでも各地域で再生可能エネルギー事業が増え、大学、ベンチャー、政府が連携して州や国レベルとなり、さまざまな取組みが行われています。

    視察レポートは近日公開。どうぞお楽しみに!
      


  • えねきょうの「中のヒト」インタビュー(6) 仙川生まれ・仙川育ち 一級建築士・菅寛人さん

    えねきょうのメンバーとして日頃活動に参加してくれている方々に、エネルギーや調布への想いについて伺う「中のヒト」インタビュー。6人目にお話を伺ったのは菅寛人(かん・ひろと)さん。仙川にオフィスを構える設計事務所の2代目として調布市内の建築設計を手掛ける一級建築士です。生まれも育ちも仙川という菅さんの地域への想いとは…?





    ◎大人になってから芽生えた地元愛


    菅さんは仙川で生まれ育ち、そして現在も仙川在住。えねきょうの活動にも参加しているし、きっと地元愛がとても強いのだろうと予想していたのですが…。

    「桐朋幼稚園から高校まで、ずっと桐朋です。小学校は仙川に通っていましたが、とくに地元に対しては何も意識していませんでした。中学からは市外に電車通学だったですしね。社会人になって仕事を始めて、青年会議所や消防団に入るまでは、そんな感じでした」

    一級建築士として父親が営む設計事務所で働きはじめ、調布市内の建物の設計に関わるようになり、地域に対する気持ちが次第に変わったと言います。

    「地域のみなさんから依頼されて建物を設計することも多く、自分を受け入れてくれてありがたいなと、心から思うようになりました。社会人になるまで地元である仙川との関わりが薄かった反動か、気持ちがあふれるようにどっと出たような感覚でした。この街に恩返しがしたくて、消防団に入ったり青年会議所の活動に参加したりするように。えねきょうの代表をつとめる小峯さんとの出会いも調布青年会議所です」


    ◎公共施設のメガソーラー設置をお手伝い

    そんな菅さんは、小峯代表に声をかけられ、えねきょうの活動にも興味を持ち、メンバーとして活動に参加しています。数年前、「分散型メガソーラー事業」の検討段階では、菅さんが勤務する設計事務所に施設の図面にもとづいたアドバイスなどを依頼。図面を管理する市役所との交渉や、構造面の確認など、専門家である菅さんに関わってもらいました。

    また、えねきょうは菅さんにとって、建築士として知識のインプットの場としても関わることに意味があるのだそう。


    「えねきょうがやっていること、やろうとしていることは未来につながる新しい取り組みばかり。建物をつくるうえで、今私たちがやっていることの枠を超えた、勉強になることがたくさんあります。刺激になりますし、そういった知識を得ることができる場でもあるんです。今はまだ実現できていないものもありますが、きっとこれからの日本には欠かせないことばかりですよ」

    建築業界でもエネルギー問題は今後の課題。ソーラーパネルの設置やバイオマスエネルギーの活用についてなど、積極的に情報を集めている最中なのです。

    ◎子どもが生まれて、地域の環境への気持ちにも変化が

    地元に恩返しをしたい気持ちは強くなったものの、日々暮らす地域の環境に関してはあまり関心を持っていなかったという菅さん。結婚し、子どもが生まれてからその気持ちにも変化があったそうです。

    「3歳と0歳の子どもがいます。彼らが生まれてから、調布を『子どもたちが育つ街』としててとらえるようになりました。なにより子どもたちのために地域を良くしたいという気持ちもより強まりましたね」
    そう語る菅さんの顔は、すっかり優しいパパの表情に。




    ▲菅さんの設計事務所が手がけた、調布市内に新設されたつつじケ丘にある保育園(パイオニアキッズつつじケ丘園)の外廊下で。他に仙川の新設保育園にも関わっているとのこと。

    ◎未来の子どもたちのために、やりたいこととは?

    「設計士という立場でエネルギー問題を解決していける一員になっていければと思います。調布がエネルギーを自給自足できる街になったらすごくいいと思うんです。家を建てるときは屋根の上にソーラーパネルを付けるのが当たり前、なんて時代がきたら理想ですよね。自分がどんな形で関わっていけるのか模索していきたいですし、市民のみなさんが抱く疑問や不安に的確にこたえられるよう、日々勉強しなくてはと思っています」

    「まだまだ勉強中」という謙虚な姿勢で終始話をしてくれた菅さん。大人になってから湧き出てきた地元愛を、えねきょうでの活動でも活かしてくれることでしょう。

    えねきょうでは、今後自宅の屋根上にソーラーパネルを設置する際の相談会を実施も検討中。「興味はあるけれど、うちの屋根でも大丈夫?」と思っている方も多いのでは?えねきょうのメンバーの中には、菅さんのような専門家もいますので、疑問や不安はぜひ相談会でいろいろ尋ねてみてください。
      


  • えねきょうの「中のヒト」インタビュー(5)  「野川で遊ぶまちづくりの会」代表・尾辻義和さん

    今回は、えねきょうの活動に参加している尾辻義和さんにお話を伺いました。
    えねきょうのほか、「野川で遊ぶまちづくりの会」を主宰する尾辻さんに、えねきょうや地域への想いを語っていただきます。




    ◎北海道の大自然の中で過ごした少年時代

    尾辻さんの生まれは北海道網走市。自然豊かな環境でのびのびと遊ぶ少年時代を過ごしました。中学1年生から現在までは、町田や調布、狛江など都内に在住。とくに調布在住歴は長く、調布を愛する気持ちは人一倍です。

    尾辻さんが「野川で遊ぶまちづくりの会」を立ち上げたのは1991年のこと。当時の野川は今のように土手に降りて散歩したり、川遊びができるつくりになっておらず、川沿いは柵で囲まれていたそう。

    「私にとって川は遊ぶところだったから、野川で川遊びができないのはもったいないと思ってね。『親水』という言葉がありますが、水に親しむことは、子どもにも大人にも大切なことだと思います。調布を、野川を中心に自然に触れてのびのびと遊べるまちに、つまり自然と共生できる環境をつくってそれを未来に残したいという思いから、仲間3人で活動を始めました」

    この「野川であそぶまちづくりの会」活動は今でも続いています。子どもたちと野川で生き物や植物の観察をする会を開催したり、親子で参加する水路清掃やお正月のしめ縄づくりをしたり。また、近隣の農家の協力をする「援農」という形で1年を通じてコメ作りを体験できる「田んぼの学校」も開いています。

    ◎「太陽」の恩恵はみんながもっと受けるべき!

    そんな尾辻さんにえねきょうの活動に参加した理由を聞いたところ、一言、
    「やっぱり太陽だよね」
    というお答えが。

    「稲を植えたら人間ができることは雑草を抜いたりなど、微々たるもの。コメだけでなく食物はみんな、太陽の光と水が育ててくれると言っていいと思います。太陽の熱と光さまさまなんですよね。しかも、タダ!エネルギーとしてもこれを利用しない手はないと思ったことが、えねきょうに興味を持った最初のきっかけです」

    市内にある公共施設の屋根ソーラーパネルを設置するという、分散型メガソーラー事業は尾辻さんの心にぐっときたのでしょう。

    「私たちはこれまでの経験で、石油が資源と思っているけれど、石油は日本で採れないのだから頼るのはよくないよね。日本には多くの資源があって、石油に頼らなくてもやっていけるだけのポテンシャルがあると思います。日照時間もたっぷりあるし、バイオマスエネルギーになりうる資源も豊富。水だってたっぷりある。実は恵まれた環境なんです。そして、ものづくりが得意な日本の技術力は捨てたものではないんです」

    尾辻さんはIT開発者として、パソコンが「計算機」という呼び名だった頃から、日々めざましく発展するコンピューターの世界で活躍してきました。だからこそ、人間が創り出す技術に対して、誰よりも期待しています。



    「田んぼの学校」を開催している佐須の田んぼの横の用水路を流れる水は、なんと深大寺で湧いた湧き水!水がきれいなこともあり、様々な生物が生息しています。手の上にいるのは“カワニナ“。蛍のエサになるそうで、近年はこの用水路で蛍を観測できるようになっています。尾辻さんたちの活動により、流れる水がきれいになってきた証ですね。



    ◎思い描く理想の姿は「水素を利用したエネルギーの自給自足」

    まちづくりに数十年も注力してきた尾辻さんにとって、これからのえねきょうに期待することとは?

    「太陽光やバイオマスだけでなく、日本には水がたくさんありますから水素は未来の新しいエネルギーとして期待できると思います。蓄電池で電気をためておく代わりに、水を電気分解して水素をためておけば、酸素と反応させれば電気が作れるし、副産物として出るのは水だけ。もはや人間は電気なしには生きていけないから、だったら少しでも環境にやさしい発電方法に切り替たほうがいい。地域の自然を大切にしてその中で心地よく共生するように、電気も自分たちが使う分はなるべく自分たちでまかなう『自給自足』が理想です」

    地域の中で再生可能エネルギーによる発電が行われることと、身近な自然を大切にすること。どちらも尾辻さんが大切にしている「自然との共生」を目指す取り組みにつながります。えねきょうの活動とともに、尾辻さんのまちづくりも応援したいですね。  


  • えねきょうメンバーが答えます!よくわかる「再エネ」Q&A(4)

    ニュースなどで耳にすることが多くなった「再生可能エネルギー」ですが、わからないことがたくさんありますよね。このコラムではみなさんが抱きがちなギモンにえねきょうのメンバーがお答えします。

    前回は、今年に入り資源エネルギー庁が発表した「固定買取価格制度の運用見直し」
    について、わかりにくいところを解説してもらいました。なぜ見直しが必要になったのか、太陽光発電のゆくえ、そして私たちの街・調布への影響について知ることができたかと思います。今回はもっと身近な問題として、調布市の公共施設の屋上に設置された太陽光パネルによる分散型メガソーラー事業や、個人宅で行っている太陽光発電のこれからについて伺いました。




    Q 今回の発表で、変わったポイントを教えてください。私たちの生活にはどんな変化があるのでしょうか?

    東京電力管内の太陽光発電事業者には、50kW(キロワット)以上500kW未満の発電設備にも出力抑制がかかったり、その出力抑制が今までは日数単位(年間30日)だったものが、時間単位(年間360時間)に変更されたり、調達価格(売電価格)の決定時期が電力受給契約申請時だったものが電力受給契約締結時になったりと、とても大きな影響があります。今回の見直しにより、事業者は今までのように事業収支計画が立てられず、銀行からの融資を受けにくくなりましたので、今後は設備投資が行いにくい状況です。

    Q 私たちの生活にはどんな変化があるのでしょうか?

    一般家庭の方々がご自宅に太陽光発電設備を導入するにあたって、影響はほとんどありません。もしかしたら、メガソーラーなど産業向けのパネルやパワーコンディショナーの生産量が減るので、国内メーカーが工場稼働率確保を目的に、住宅用パネルなどの価格を下げる可能性もあります。調達価格(売電価格)が若干下がるものの、一般家庭での太陽光発電の設備価格は、ようやく手に入れやすいレベルまで落ちるかもしれません。

    Q 接続可能量を増やすための対策として、「蓄電池」の導入や設置が提案されています。調布の分散型メガソーラーでも蓄電池は検討されていますか?
    ※「接続可能量」については前回コラムをご覧ください。

    今後、再生可能エネルギーの導入拡大と電力系統の安定を並行して進める上で、蓄電池の導入は大きなインパクトを持つ案です。調布で今後太陽光発電事業を拡大するには蓄電池導入も検討の余地がありますが、今まで設置した発電設備に蓄電池を導入することは、事業性を損ねるため、無いであろうと考えます。

    Q えねきょうとしてはこの運用見直しを受けて、どのような事業展開を考えているのでしょうか。

    現在、さまざまな検討を進めています。方向性が固まるのは3月以降になりそうです。太陽光以外の発電事業や、電力の見える化による省エネ推進など、多角的な展開を検討しています。

    ◆◆◆◆◆◆◆


    一般家庭が新たに太陽光パネルを設置するハードルが下がるかもしれないとは、意外ですね。さまざまな意見があるものの、太陽光をはじめとする再生可能エネルギーは、地球の未来のためにはもっと広がってほしいものです。
    えねきょうでは、この「固定買取価格制度の運用見直し」を受け、協議会で話し合いを進めています。発表できる段階になりましたら、このWEBサイトでも公開いたします。  


  • えねきょうメンバーが答えます!よくわかる「再エネ」Q&A(3)

    再生可能エネルギーについてのギモンについて、えねきょうメンバーがわかりやすく解説するこのコラム。第3回となる今回は昨年末からニュースでたびたび耳にしている「固定買取価格制度の運用見直し」について、えねきょう代表の小峯さんに伺いました。太陽光発電の未来が心配になっている方も多いはず。実際のところ、どうなのでしょう?

    ※今年1月22日には資源エネルギー庁が「固定買取価格制度の運用見直し」を発表しました。
    詳細はこちら>>>




    Q 固定買取価格制度の運用は、なぜ見直しが必要なのでしょう。

    固定価格買取制度が始まり、多くの事業者が太陽光発電事業へ参入し、発電設備の導入または設備認定の取得を行いました。その結果、一部の電力会社、例えば北海道電力や九州電力の管内では、経済産業省が設備認定した太陽光発電設備が全部稼働した場合、電力をあまり使わない5月などの過ごしやすい季節は、必要な電力以上に発電してしまう可能性があることが判明しました。そこで制度の運用見直しが必要となったというわけです。

    Q 必要な電力以上に発電すると、なにが問題なのですか?

    初回のコラム(リンク)でも解説しましたが、電気は必要な時に必要な分だけ発電されていなければならず、このバランス(需給バランス)が崩れると停電が発生してしまうからです。

    Q 「固定買取価格制度の運用見直し」について、えねきょうとしての見解を教えてください。

    今回の見直しは、各電力会社が経済産業省へ提出した管内の再生可能エネルギー発電設備による接続可能量に対して、現在設備認定を受けているすべての太陽光発電設備が稼働した場合に、接続可能量を超えてしまうという前提条件になっています。

    ただし、設備認定を受けている太陽光発電設備の中には「権利の空押さえ」がかなりの割合で存在します。買取価格が高いうちに、権利だけ取得し、いまだに太陽光パネルを設置していない設備が多いことが、報道などで問題視されていたのをご覧になった方もいるのではないでしょうか。それゆえ、「全設備が稼働する」ことはあり得ないのです。再生可能エネルギーを推進する立場からすると、設備認定を受けているすべての太陽光発電設備が稼働した場合というのは全く現実的でない条件だと言えます。
    また、福島第一原子力発電所事故後の国民感情が収まらない中で、全原子力発電所が稼働するかどうかも現段階では不透明なことではないでしょうか。

    Q「接続可能量」とは?

    「接続可能量」とは、各電力会社管内の全原子力発電所が稼働し、設備利用率85%とした場合、どれだけ系統接続(電線に電気を流すこと)が可能かという量のことです。

    Q 資源エネルギー庁が1月22日に発表した「固定買取価格制度の運用見直し」を見ると、各電力会社の「接続可能量」が明記されています。調布は東京電力ですが、接続可能量についての情報は?

    東京電力は今回の発表の素案を作成した総合資源エネルギー調査会の新エネルギー小委員会及び同小委員会系統ワーキンググループには属していないため、接続可能量は提出していません。

    Q 電気の需給バランスへの配慮も必要と考えると、やはり太陽光発電はコスト高で敬遠されてしまうということでしょうか。

    確かに需給バランスが崩れると停電が発生してしまいます。また太陽光発電による電力は、火力発電などに比べて総コストが高いのも事実です。ただ電力の需給バランスは、スペインのように太陽光発電や風力発電をベース電源として、火力発電や揚水発電で調整することも可能ですし、電気代が高い安いの問題は目先の問題でしかありません。私たちの国が、今享受している豊かな社会を維持して行くために、また現在進行している地球温暖化を解決するために、そして福島第一原子力発電所事故を経験した国民として世界をリードして行くために、国内的にも国際的にも、エネルギー構成においてどのような方向を目指したら良いのかを考え、行動することが大切なのではないでしょうか。それは即ち、日本のエネルギーミックスを議論することに他ならないのではないでしょうか。

    ◆◆◆◆◆


    時事ニュースでもある「固定買取価格制度の運用見直し」について、じっくり教えてもらいました。見直しの理由となった前提条件はそもそも「あり得ない条件」である点が問題だということです。電力の需要バランスはもちろんとても大切ですが、えねきょうとしては、私たちが暮らす地球の未来のために再生可能エネルギーによる発電についての理解を多くの方と共有したいという気持ちは変わりません。

    次回も引き続き、「固定買取価格制度の運用見直し」について解説してもらいます。私たちの身近な問題として、調布のメガソーラーや、自宅に太陽光パネルをこれから設置予定の方への影響についても伺います。  


  • えねきょうの「中のヒト」インタビュー(4) スピーディに事業を進めるえねきょうの「ブレーキ役」山口昌之さん

    今回は、調布市布田で「リカーショップYamaguchi」を営む山口昌之さんにインタビュー。えねきょうでは市民委員としてえねきょうの運営に参加しています。エネルギー問題に熱い思いを持つメンバーの中で、「エネルギー問題にそこまで特別な思いはない」と言う山口さん。その理由をじっくり伺いました。


    ◎きっかけは、「エネルギー問題への関心」ではなく…

    山口昌之さんは、えねきょう事務局がある調布駅前からほど近い、旧甲州街道沿いの酒屋さんの店主です。地域の酒屋さんとして、調布に暮らす方々にはおなじみのお店かもしれません。

    山口さんがえねきょうの「中のヒト」になったきっかけとは?

    「調布市青年会議所で小峯さん(現えねきょう代表)と出会いました。当時、彼はまだ会社勤めをしていてね。ちょうどひとまわり歳の差があるので、かわいい後輩という感じでした。ある日、会社を辞めて事業を始めると相談されました。当時から、小峯さんには“やると決めたら、必ず実現する人”と一目おいていたので、彼が始める事業だったら協力したいと思ったのが、えねきょうに参加したきっかけです」

    えねきょうメンバーには、それぞれが得意や人柄を生かした役割がありますが、山口さんの役割はどのようなものなのでしょう。
    「小峯さんは考えたことを実現していくスピードがかなり速い。だから周りの人がついていくのが大変なこともあるんです。だから、私のような人間が“ブレーキ役”として、近くにいることにも意味があるはず」


    どちらかというと、代表の人間性、事業の実現性に共感して、えねきょうに参加した山口さん。これまでインタビューさせてもらった「中のヒト」のみなさんは、エネルギー問題に対してそれぞれ熱い思いを抱き、「地域からその問題に取り組みたい」というビジョンを胸に活躍しています。ところが山口さんは…。

    「もちろん、エネルギーについては一人ひとりが考えなくてはならない、重要な問題のひとつです。私もエネルギーについて考えることはたくさんあります。でも、えねきょうにはそれらをしっかり考えている人や専門家がたくさんいますから」と、あくまでもクールです。



    リカーショップYamaguchiの外観。お酒だけでなく、できたてのお豆腐やめずらしいラーメン、コンビニのラインナップとは違うお菓子なども購入できます。



    ◎「自立」のひとつとして、エネルギー問題は大切な要素

    山口さんは、「ひとりひとりが自立した社会」が本当の意味で理想的だと考えています。ここでいう「自立」とは、何かに依存せず、自分自身の考えをもとに選択したり、つくりだしたりして生きていく能力を培うことだそう。これは、私たちの生活をとりまくすべてにつながる概念です。山口さんは、そういった社会をつくるための活動に積極的に参加しているそうです。

    「自立した社会の実現」は、えねきょうが取り組むエネルギー問題にもあてはまります。これから始まる電力の自由化では、私たちはどの電気を選ぶか選択しなくてはなりません。その選択肢のひとつとして、地域でつくられた再生可能エネルギーを提供すること。山口さんは、この選択肢をつくる団体のひとつとしても、えねきょうの活動に共感しています。

    「電気は私たちの生活の柱のひとつ。なくなったら今まで通りの生活は維持できないからね。だからエネルギー問題はすべての人が考えなくてはならない大事なこと。エネルギーに対して、“なんとなく”ではなく自分の考えを持って選び取り、その結果に責任を持つ人が増えることは、自立への第一歩、社会の自立につながると思うんです」

    「自立といっても、いわゆる“自給自足”とは意味が違います。あくまでも主体的に物事にとりくむ姿勢なのです」と山口さん。エネルギーもまた社会が抱くさまざまな「選択すべき事項」のひとつであり、選択することが自立を促すと考えているのです。

    「自立した社会」というと、スケールが大きく難しく感じますが、実は山口さんの子育て論にも通じるものがありました。

    「自立を促すという点では、私が子育てをしていたころの考え方と同じです。親の役目は、自分の思い通りに育てようとするのではなく、選択する力を付けさせてあげること。そして、選択するきっかけをつくってあげること。つまり親は、子どもの自立をサポートするだけなんです」
    ※山口さんはふたりのお子さん(ふたりとも成人しているそうです)のお父さんでもあります。

    そんな山口さんに今後のえねきょうでの展望を伺ったところ、やはりという答えでした。

    「何をするかは、ほかのメンバーが決めること。私はあくまでブレーキ役としてサポートしながら、ときには口を出して見守っていきたいです」



    店頭で販売している「愉しみ工房NoaNoa」のパン。障がい者就労支援施設でつくられたものですが、山口さんは支援のためだけでなく、ひとつの仕入先として味や流通システムに納得いく状態であることを確かめ、お店に置くとにしたそうです。これは、私たちが「いいな」と思って「選ぶ」たことにもつながりますね。

      


  • 【コラムvol.9】 環境にやさしいペレットストーブとは? 

    前回のこのコラムに登場してもらった大村哲夫さんは、環境やこれからのライフスタイルについて考えた結果、「ペレットストーブ」という暖房器具を自宅に設置したそうです。
    お話を伺うと、その理由や設置後の生活は興味深いことばかり!そこで今回は番外編として、大村さんのペレットストーブライフをじっくりご紹介します。


    ▲大村さんの愛犬・三太(さんた)くんと、ペレットストーブ。
    あたたかなリビングには、自然と家族が集います。



    ◎ペレットストーブとは?

    「ペレットストーブ」という言葉を初めて目にしたという方も多いかもしれません。ペレットストーブとは、「木質ペレット」と呼ばれる間伐材やおが屑、かんな屑などを圧縮成形したものを燃料にするストーブのこと。北欧ではとてもポピュラーな暖房器具です。

    そのルックスは薪ストーブと似ていますが、比較するとペレットストーブは環境に優しいという特徴があります。なぜなら木質ペレットはそもそもの原料が間伐木材。本来ならば焼却処分されるはずのゴミが、木質ペレットに加工されストーブの燃料として二次利用されているのです。

    木質ペレットを燃やすことで発生する二酸化炭素が気になりますね。でも大丈夫。木質ペレットは、「木」として成長する段階で吸収してきた二酸化炭素量とほぼ同量の二酸化炭素を発生させるだけ。つまり燃やしても大気中の二酸化炭素を増減しない(カーボンニュートラル)環境にもとても優しい燃料なのです。そして、原料となる木を伐採したら植林するという循環を保っていれば、再生可能なエネルギーだと言えるのです。

    ◎きっかけは実は、ソーラーパネルの設置!

    大村さんがペレットストーブを自宅に導入したのは、ソーラーパネルの設置がきっかけでした。

    「屋根にソーラーパネルを設置したことで、自宅で使用する電力に興味を持ちました。日々の発電量だけでなく使用量も付属のディスプレイで確認できるからです。すると、冬場の暖房に使う電気が想像以上に多く、ここをなんとかしたいと思いエネルギー効率がいい暖房器具を探し始めました。そこで出会ったのがペレットストーブ。電気の使用資料量が減るだけでなく、使うことで林業を応援できるということも大きなポイントでしたね」

    仙川・若葉町の雑木林を愛し、その環境をこれからも美しいまま残したいと強く願う大村さんにとっては、電気使用量が減ることだけでなく、間伐木材を積極的に使うことで「森を守る」ことにつながることも、大きな決め手だったようです。また、使用する木質ペレットを西多摩地域の団体から購入することで、エネルギーの地産地消にも貢献しています。

    ペレットストーブは日本ではまだ知名度が低く、外国製で大型のものが多いのですが、最近では小型で煙突がいらない(※小さな室外ユニットは必要です)国産ストーブも登場しています。大村さんが使っているのも、東日本大震災の被災者が入居する仮設住宅用に設計されたコンパクトなモデルです。薪ストーブのような煙もほとんど出ないので、都内の住宅でも比較的設置しやすいというメリットも。灯油や電気料金の値上がりが続いていることや、設置に助成金を交付する自治体が増えてきていることからも、ペレットストーブはこれから注目の暖房器具と言えるでしょう。

    とはいえ、ペレットストーブはエアコンのように朝起きてスイッチを入れれば部屋がすぐに温まるというものではなく、灰の処理に若干手間がかかるのも事実。「忙しい若いご家族には細かいメンテナンスが負担になるかもしれないので、時間に余裕がある方におすすめしたいですね」と、大村さんからは使用者ならではのアドバイスもいただきました。

    ◎ペレットストーブのある、スローな暮らし


    ▲若葉町の雑木林の風景です。(大村さん撮影)



    ペレットストーブライフがあることで、大村さんの暮らしはどのように変わったのでしょうか。

    「暖かくて居心地がよいので、家族がリビングに集まることが増えました。それぞれの部屋で過ごすよりも電気を使いませんし、コミュニケーションも生まれます。いわゆる『ウォームシェア』が、自然とできています」

    じんわりと部屋を暖めてくれるペレットストーブは空気をクリーンに保ち、遠赤外線効果でその場にいる人や動物の体をやさしく温めてくれます。ゆれる炎は心もあたたかくしてくれるのだとか。憧れのスローライフとは、まさに大村さんが送っているような日々のことなのかもしれません。  


  • えねきょうの「中のヒト」インタビュー(3) 「身近なところから暮らしを変える」がモットー!大村哲夫さん

    今回の「中のヒト」インタビューは、えねきょうの理事 を務めるかたわら、仙川・若葉町を中心として自然やエネルギーに関する活動を行う 大村哲夫さんです。自然を愛する大村さんが、えねきょうに関わるようになった経緯にせまります。




    ◎緑豊かな環境に魅了され、「調布に住みたい」と思うように

    大村さんの住まいは調布市若葉町。国分寺崖線周辺の雑木林を見たときに「ここに住みたい」と強く思ったことが移り住んできたきっかけでした。都心の大手新聞系出版社で編集者として働き、定年退職を間近に控えた頃のことです。

    若葉町周辺は、東京都内とは思えないような豊かな自然が残る場所。愛犬の散歩をしながら四季折々の植物を観察することも、大村さんの楽しみの一つです。中でも5月に数日間だけ咲く「キンラン」という花がお気に入りだそう。大村さんはこの場所を「若葉の森」と呼び、地域の人たちと一緒に雑木林の中でイベントを開催するなど、充実した「森ライフ」を送っています。



    ▲大村さん撮影の「キンラン」。白い花を咲かせる「ギンラン」もあるそうです。



    ◎まずは自分たちの暮らし方を変えて、エネルギー問題を改善したい

    そんな大村さんが地域での活動をはじめたきっかけは、「道路問題」でした。愛する雑木林に大きな道路が通るかもしれないという危機感から地域とつながり、活動が増えたことがはじまりでした。
    「それまでは地域の住民として活動をすることには無縁でしたが、この問題を通して、地域の皆さんとのお付き合いが深まり、市民として行動・発言する機会が増えました。ちょうど定年退職の時期とも重なり、街づくりへの関心がますます高まることになりましたね」

    その頃、東日本大震災が発生します。「中でも原発の事故は元ジャーナリストとして、衝撃的な出来事だった」と大村さん。
    「私の故郷は京都府の北に位置する舞鶴市です。日本海に面し、美しいリアス式海岸や舞鶴湾は観光名所にもなっています。しかし、原子力発電所が複数建設され、『原発銀座』とも呼ばれる若狭湾が隣接する土地でもあるわけです」
    前回インタビューの阿部さんもそうでしたが、大村さんもあの日から心配しているのは少年時代を過ごした故郷のこと。とはいえ、遠く離れた土地に住む今、自分にできることはなんだろうかと考えた結果、「受け身になるだけではなく発言しなくては。そして、エネルギー問題を“おまかせ”にしてはいけない」と考え、行動にうつします。



    ▲トレードマークの帽子には、「原発?ノーサンキュー!」と
    ドイツ語で書かれたバッヂを付けています。



    まず大村さんが参加したのは、原子力発電所の是非を問う都民投票を行うための署名集めでした。その活動を共に行ったメンバーは、現在「原発のない暮らし@ちょうふ」として、現在も活動を続けています。(なお、都民投票は都議会にて却下され行われませんでした)

    「必要だと考えているのは、『反原発』を叫ぶことだけではなく、市民として行政と対話 し、意見をすりあわせることができる環境です。市民団体としての活動することは、そんな環境づくりの一助になります。そのほかに、団体の仲間とできるところから始めるというスタンスで行っていることのひとつが、自分たちの暮らしに少しずつ再生可能エネルギーを取り込んでいくことなのです」

    長くなってしまいましたが、ここでえねきょうとつながります。再生可能エネルギーに興味を持ち、えねきょうの勉強会などに顔を出すうちに大村さんに白羽の矢が立ち、理事の一人になったという経緯です。エネルギー問題について関心が高い地域に暮らす仲間とのつながりを通して、地域住民の声をえねきょうに、そしてえねきょうの活動を周りの仲間に伝えること。ジャーナリスト魂は、形を変えて今も活きています。

    ◎太陽光や太陽熱パネル設置にも「セカンドオピニオン」を

    えねきょうの「中のヒト」の一人としてこれから大村さんが行いたいことは、太陽光や太陽熱パネルの設置を検討する人へのコンサル活動。いわば病院で行われる「セカンドオピニオン」のように、再エネの導入に悩む人をサポートし、安全で快適に設置できる仕組みを作りたいそうです。

    また、大村さんは「自分たちの暮らし方を変える」ことも大切にしています。
    「自宅の屋根に太陽光パネルを設置しました。家庭内の電力の使用状況を『見える化』して分析し、より省エネにつながる方法を考えたりしています」とまさに有言実行です。

    身近な雑木林でのナチュラルライフを楽しむ大村さん。昨年の冬には、自宅に「ペレットストーブ」と呼ばれる暖房器具を設置し、省エネや多摩地区の林業のサポートにも貢献しているそう。大村さんのナチュラルライフやペレットストーブについては、次回コラムの「番外編」にてご紹介させていただきます。  


  • 【コラムvol.7】 えねきょうメンバーが答えます!よくわかる「再エネ」Q&A(2)

    前回は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度について、調布えねきょうの小峯さんに教えてもらいました。今回はその続編です!

    今年、一部の電力会社が固定価格買取制度による「買取り中止」を発表したというニュースがありましたが、それは中止というよりは「買取り契約の一時保留」という表現が正しいとのこと。気になるのは今後のゆくえです。そして私たちの暮らしへの影響は?

    Q:固定価格買取制度を一部の電力会社が保留しているということは、再生可能エネルギー事業が先細りになってしまいませんか?

    今回の「保留」においては、私たちが想像している以上に送電できる電線(系統)の容量が少ないことを意味していると思われます。単純に考えると再生可能エネルギーの入る余地は少ないと言えるかもしれません。

    しかしながら、私たちの目指す持続可能な社会や日本の政策にとって、再生可能エネルギーのますますの導入は必要不可欠であることから、現在経済産業省と電力関係者で、系統の強化を検討しているところです。

    メガソーラーが地方の過疎地にどんどん建設されることは、再生可能エネルギーの普及という側面では喜ばしいことです。しかし、再生可能エネルギーは小規模分散型で地産地消が特徴であることからすると、もう少し電力需要地に近い場所での電力供給設備(発電設備)建設が、今後ますます望まれてくると思います。そうした意味において、都市部で再生可能エネルギー事業を進めようとしている調布まちなか発電による分散型メガソーラー事業はとても意味のあること。今後も期待される事業だと思います。

    Q:固定価格買取制度が先細りになってしまった場合、私たちの家計にも影響がありますか?

    再生可能エネルギーの導入、普及が進まないと、現在のように石炭、石油、天然ガスなど化石燃料への依存度が高まります。一部新たなエネルギー源としてシェールガスなどの量産も始まりましたが、いずれにしても化石燃料は枯渇性資源です。このまま新興国も含めた地球規模での使用量が増え続けた場合、どうしても燃料価格は上昇せざるを得ない状況です。化石燃料については、電力だけでなく燃料としてのガソリンなども含まれますから、家計におけるエネルギーコストは当然上昇傾向に向かいます。

    この価格上昇は一時的なものではありません。残念ながら数十年、数百年単位の持続的なものとなる可能性が高いと思われます。その意味からも、再生可能エネルギーの導入はどうしても進める必要があるのです。



    Q:ところで小峯さん、電気料金表をじっくり見てみると「再エネ発電賦課金」という項目が。私たちはこの「再エネ発電賦課金」で買い取り金の一部を負担しているということでしょうか。

    その通りです。私たちが負担している「再エネ発電賦課金」が買取価格の一部となっています。

    ※「再エネ発電賦課金」の正式名称は、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」です。



    ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

    いつか必ず枯渇する化石燃料だけに依存していては、私たちが負担する電気料金はどんどん上がってしまうのですね!私たちが今「再エネ賦課金」で負担している金額で、再生可能エネルギーによる発電事業がバランスよく増えれば、結果として私たちのお財布にもやさしくなるということですね。各電力会社のみなさまには、ぜひ、有効に使っていただきたいものです。

    いかがでしたか? よくわかる「再エネ」Q&Aでは、これからも再生可能エネルギーにまつわる用語や報道内容など、日ごろ感じている疑問点について、調布えねきょうメンバーがわかりやすくお答えしていきます。ぜひ、このコラムをお役立てください。  


  • 【コラムvol.6】 えねきょうメンバーが答えます!よくわかる「再エネ」Q&A



    今月から、再生可能エネルギーについてのギモンをえねきょうメンバーがわかりやすく解説します。再生可能エネルギーについて、ニュースなどで耳にすることが増えている今日このごろ。私たちの生活に今後ますます浸透してくるであろうテーマですが、まだまだ人々への周知が十分ではありません。このコーナーでは、「そもそもそれって何?」という基本の“き”から、再生可能エネルギーの最新トピックまで、みなさんの「?」にお答えできればと考えています。

    では、さっそくスタート!
    初回は、「固定価格買取制度」です。
    答えてくれるのは調布えねきょうの小峯さんです。

    Q:再生可能エネルギーの「固定価格買取制度」について、教えてください!

    再生可能エネルギーで発電された電気を、国が定めた価格・期間で、電力会社が買取ることを義務付けた制度です。
    対象となる再生可能エネルギーは、太陽光、風力、地熱、中小水力、バイオマスです。

    現在の日本はエネルギーの96%を輸入資源に頼っており、さらにそれらのエネルギーは限りあるものです。そこで、太陽光などの日本にも豊富にある「再生可能」なエネルギー源を利用した「再生可能エネルギー」を普及させるため、初期段階で必要な設置コストなどをまかなうために採択された制度です。平成24年からスタートしています。

    買取りの価格や期間の決め方は、設置費用など通常必要となるコストに適正な利潤を勘案して決まります。今まで毎年のように太陽光だけが買取価格が下がってきましたが、これは太陽光発電設備の設置コストが安くなってきたからです。

    Q:「一部の電力会社が買い取り中止」という報道がありましたが、なぜそんなことが起こるのでしょうか。

    電力会社の「買取り中止」ではなく、簡単に言えば「買取り契約の一時保留」が正しいと思います。

    固定価格買取制度によって、電力会社側で買取りの義務が発生する条件は、経済産業省による設備認定と電力会社との電力受給契約が必要なのですが、経済産業省側は再生可能エネルギーが最大限導入されるように、可能だと思われる発電設備の申請には、どんどん認定通知を出してきました。
    一方で、電力会社側は、全ての再生可能エネルギー発電設備で発電された電気を無法図に電線(系統)に流すことはできません。なぜなら、電気は必要な時に必要な分だけ発電されていなければならず、このバランスが崩れると停電が発生してしまうからです。

    そんな仕組みの中で、九州電力などの地域では、九州全体で最も使用する時期に必要な発電出力を超える設備が認定されており、電力受給契約の申込通りに契約に至った場合、どこかの再生可能エネルギー発電所からの電気は、電気が必要無い時期や時間は買い取れない状況になりそうであったため、電力受給契約締結の前提となる系統への接続承諾を保留することで、少し様子を見ようとなった訳です。


    どうやら「買い取り中止」報道のきっかけは、再生可能エネルギーによる発電が順調に増えていることによる、新たな課題のようです。とはいえ、再生可能エネルギーの普及に待ったがかかりそうな気も…。それについては次回に続きます。
      


  • えねきょうの「中のヒト」インタビュー(2) 「先生」として市民見学会の説明担当!阿部正幸さん

    今回の「中のヒト」インタビューは、えねきょうの中心メンバーのひとり、理事をつとめる阿部正幸さんです。多忙なビジネスマンとして働いてきた会社を定年退職ののち、えねきょうの活動に参加しました。「調布の住まいは寝に帰るだけの場所だった」という阿部さんが、地域での活動を始めたきっかけとは…?




    定年退職後、ベトナムで日本語教師として働いた経験も

    昼夜を問わず働き、日本の高度経済成長期を支えてきた世代である阿部さん。「働いていたころに比べて、ずいぶん顔つきがやさしくなったねってみんなに言われるんだよ」と、笑顔で話してくれました。

    「定年退職するにあたり、日本語教師の資格を取得するため大学に通いました。資格取得後1年間はベトナムのハノイ工科大学で日本語教師として働いていたんです。日本語教師の資格を取ったのはね、退職したら自分が住む調布でなにか人の役に立つことをしたいと思っていたから」
    今もこの資格を生かし、調布市国際交流協会で、外国人に日本語を教えるボランティアをしているのだそうです。

    そんな経歴からもわかるとおり、阿部さんにとって「先生」として人前で話すことは得意分野の1つ。実際、えねきょうが主催する市民見学会などでは、太陽光発電や市民ファンドの仕組みといった難しい内容を、わかりやすく説明してくれると定評があります。

    故郷への思いを胸に、調布で地域に貢献したい

    阿部さんと、えねきょう代表の小峯充史との出会いは、調布市青年会議所が主催したとある会合。ちょうど再生可能エネルギーについて勉強したいと考えていたことに加え、できれば地域に貢献したいという思いも手伝って、理事として活動に参加することになりました。

    実は、阿部さんは夫婦そろって新潟県柏崎市出身。働いていたころは、定年退職後は故郷に帰ってゆっくり過ごしたいと考えていました。しかし柏崎市と言えば原子力発電所が多数建設されている地域。子ども時代を過ごした大切な故郷の人口は減る一方です。古い友人も次々に転居。原発への不安もあり「帰れない土地」になってしまいました。

    「やっぱり帰るのはやめて調布に暮らし続けよう」

    環境や安全に配慮したエネルギーづくりが広まることは、安心して暮らせる住みよい街づくりにもつながります。自分たちが住む街を、よりよい環境にすること。その手伝いができること。そんなえねきょうの活動に、阿部さんはやりがいを感じているのです。


    調布を、環境にやさしいことを誇れる街に

    今後、えねきょうを通して実現したいことを聞いてみると、「これからも見学会を通して地道に、ご近所さんひとりひとりに再生可能エネルギーについて伝えていきたいですね。派手なことはしなくていいんです」とのお答え。にこにこ笑いながら話す姿は、やさしくて気さくな、まさに“近所のおじさん”。そんな阿部さんの説明なら、難しそうなエネルギーの話も身近なこととして、臆することなく聞くことができそうです。

    最後に、「調布が環境にやさしい街として、ここに住む市民みんながそれを誇れるようになったらいいね」と、阿部さんが描く理想の「調布市」についても語ってくれました。

    「インタビューなんて苦手だよ~」と照れながら話し、インタビュー終了後は「帰りに夕食の食材を買ってくるように頼まれてね」と、自転車でスーパーに向かっていきました。やさしくて気さくな阿部さんには、市民見学会などでみなさんも会えるかもしれません!

      


  • 調布まちなか発電

    当協議会が運営する公共施設屋根借り太陽光発電事業会社です。

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