たまりば

  エコ・自然 エコ・自然  調布市 調布市

コラム

えねきょうメンバーが答えます!よくわかる「再エネ」Q&A(3)

再生可能エネルギーについてのギモンについて、えねきょうメンバーがわかりやすく解説するこのコラム。第3回となる今回は昨年末からニュースでたびたび耳にしている「固定買取価格制度の運用見直し」について、えねきょう代表の小峯さんに伺いました。太陽光発電の未来が心配になっている方も多いはず。実際のところ、どうなのでしょう?

※今年1月22日には資源エネルギー庁が「固定買取価格制度の運用見直し」を発表しました。
詳細はこちら>>>




Q 固定買取価格制度の運用は、なぜ見直しが必要なのでしょう。

固定価格買取制度が始まり、多くの事業者が太陽光発電事業へ参入し、発電設備の導入または設備認定の取得を行いました。その結果、一部の電力会社、例えば北海道電力や九州電力の管内では、経済産業省が設備認定した太陽光発電設備が全部稼働した場合、電力をあまり使わない5月などの過ごしやすい季節は、必要な電力以上に発電してしまう可能性があることが判明しました。そこで制度の運用見直しが必要となったというわけです。

Q 必要な電力以上に発電すると、なにが問題なのですか?

初回のコラム(リンク)でも解説しましたが、電気は必要な時に必要な分だけ発電されていなければならず、このバランス(需給バランス)が崩れると停電が発生してしまうからです。

Q 「固定買取価格制度の運用見直し」について、えねきょうとしての見解を教えてください。

今回の見直しは、各電力会社が経済産業省へ提出した管内の再生可能エネルギー発電設備による接続可能量に対して、現在設備認定を受けているすべての太陽光発電設備が稼働した場合に、接続可能量を超えてしまうという前提条件になっています。

ただし、設備認定を受けている太陽光発電設備の中には「権利の空押さえ」がかなりの割合で存在します。買取価格が高いうちに、権利だけ取得し、いまだに太陽光パネルを設置していない設備が多いことが、報道などで問題視されていたのをご覧になった方もいるのではないでしょうか。それゆえ、「全設備が稼働する」ことはあり得ないのです。再生可能エネルギーを推進する立場からすると、設備認定を受けているすべての太陽光発電設備が稼働した場合というのは全く現実的でない条件だと言えます。
また、福島第一原子力発電所事故後の国民感情が収まらない中で、全原子力発電所が稼働するかどうかも現段階では不透明なことではないでしょうか。

Q「接続可能量」とは?

「接続可能量」とは、各電力会社管内の全原子力発電所が稼働し、設備利用率85%とした場合、どれだけ系統接続(電線に電気を流すこと)が可能かという量のことです。

Q 資源エネルギー庁が1月22日に発表した「固定買取価格制度の運用見直し」を見ると、各電力会社の「接続可能量」が明記されています。調布は東京電力ですが、接続可能量についての情報は?

東京電力は今回の発表の素案を作成した総合資源エネルギー調査会の新エネルギー小委員会及び同小委員会系統ワーキンググループには属していないため、接続可能量は提出していません。

Q 電気の需給バランスへの配慮も必要と考えると、やはり太陽光発電はコスト高で敬遠されてしまうということでしょうか。

確かに需給バランスが崩れると停電が発生してしまいます。また太陽光発電による電力は、火力発電などに比べて総コストが高いのも事実です。ただ電力の需給バランスは、スペインのように太陽光発電や風力発電をベース電源として、火力発電や揚水発電で調整することも可能ですし、電気代が高い安いの問題は目先の問題でしかありません。私たちの国が、今享受している豊かな社会を維持して行くために、また現在進行している地球温暖化を解決するために、そして福島第一原子力発電所事故を経験した国民として世界をリードして行くために、国内的にも国際的にも、エネルギー構成においてどのような方向を目指したら良いのかを考え、行動することが大切なのではないでしょうか。それは即ち、日本のエネルギーミックスを議論することに他ならないのではないでしょうか。

◆◆◆◆◆


時事ニュースでもある「固定買取価格制度の運用見直し」について、じっくり教えてもらいました。見直しの理由となった前提条件はそもそも「あり得ない条件」である点が問題だということです。電力の需要バランスはもちろんとても大切ですが、えねきょうとしては、私たちが暮らす地球の未来のために再生可能エネルギーによる発電についての理解を多くの方と共有したいという気持ちは変わりません。

次回も引き続き、「固定買取価格制度の運用見直し」について解説してもらいます。私たちの身近な問題として、調布のメガソーラーや、自宅に太陽光パネルをこれから設置予定の方への影響についても伺います。



  • 同じカテゴリー(コラム)の記事画像
    えねきょう「中のヒト」インタビュー(13)不動産経営の視点から関わる再エネ事業
    えねきょう「中のヒト」インタビュー(12)運送会社での経験が環境問題に関心を持つきっかけに 佐橋正文さん
    えねきょう「中のヒト」インタビュー(11)電力を自給自足する「えねこや」を建築中 湯浅剛さん
    えねきょう「中のヒト」インタビュー(10) 発電事業実現のキーマン 梶原良介さん
    えねきょうの「中のヒト」インタビュー(9) 普通の主婦がエネルギーをテーマに活動を始めた理由 菅野千文さん
    えねきょうの「中のヒト」インタビュー(8) えねきょうの「勘定吟味役」!原島秀一さん
    同じカテゴリー(コラム)の記事
     えねきょう「中のヒト」インタビュー(13)不動産経営の視点から関わる再エネ事業 (2016-08-08 11:53)
     えねきょう「中のヒト」インタビュー(12)運送会社での経験が環境問題に関心を持つきっかけに 佐橋正文さん (2016-05-18 10:01)
     えねきょう「中のヒト」インタビュー(11)電力を自給自足する「えねこや」を建築中 湯浅剛さん (2016-03-09 09:28)
     えねきょう「中のヒト」インタビュー(10) 発電事業実現のキーマン 梶原良介さん (2015-12-25 17:01)
     えねきょうの「中のヒト」インタビュー(9) 普通の主婦がエネルギーをテーマに活動を始めた理由 菅野千文さん (2015-10-26 13:32)
     えねきょうの「中のヒト」インタビュー(8) えねきょうの「勘定吟味役」!原島秀一さん (2015-08-27 13:52)


    調布まちなか発電

    当協議会が運営する公共施設屋根借り太陽光発電事業会社です。

    えねきょうブログ

    コラム

    削除
    えねきょうメンバーが答えます!よくわかる「再エネ」Q&A(3)