えねきょうの「中のヒト」インタビュー(9) 普通の主婦がエネルギーをテーマに活動を始めた理由 菅野千文さん
調布は都心に比較的近いのに、自然環境が豊かな地域です。15年ほど前、その環境にひかれて調布に居を構えたという菅野千文さん。そして今年(2015年)6月にえねきょうのメンバーとなりました。
◎とにかく調布で暮らしたいと思ったわけ
菅野さんはご夫婦で自然が大好き。週末はよく子どもたちを連れてキャンプに出かけていたのだそう。
「もちろん毎週キャンプというわけにもいきません。緑豊かな公園へよく遊びに行っていました。都心で暮らしていたのですが、実はそのころから野川公園が大好きだったんです。『野川公園の近くに住みたい!』という思いがつのり、上の子どもが中学校に上がるタイミングでこちらに引っ越しました。ところがすでに下の子も小学校5年生になっていましたので、家族で公園へ出かけることはめっきり減ってしまって…。調布に来てからは、数えるほどしか行けていません。近くて遠い野川公園になってしまいました(笑)」
現在「原発のない暮らし@ちょうふ」という団体で積極的に活動しているという菅野さん。とはいえ、エネルギーに関心を持ち始めたのは原発事故以降なのだとか。
「私はごく普通の専業主婦で、活動などまったく縁のない暮らしをしていました。原発は何となくいやだな、と思っていた程度です。関心を持つようになったのは1999年の東海村JCO臨界事故がきっかけです。ちょうど家を探しているところだったので、せめて自分の家はと太陽光パネルを設置しました。それでもまだ、原発についての活動をしようなどとは思ってもいませんでしたけれどね」
活動のきっかけになったのは、2011年3月11日の東日本大震災による福島原子力発電所の事故でした。
「事故があって、それまで原発に無関心だったことへの罰かもしれないと思いました。声を上げることはしなかった自分にも責任はあるなと」
そんな思いから「原発都民投票」を実現するための署名活動に参加。この署名では22万筆、調布だけで1万筆が集まりました。しかし都議会で否決され都民投票は実現せず。「あんなに頑張ったのに…」と報われないことへの無力感はあったものの、活動を通して仲間と出会い「原発のない暮らし@ちょうふ」の活動をスタートさせました。
◎えねきょうとの出会いで、広がった世界
「原発のない暮らし@ちょうふ」は、自分たちの身近な暮らしから考え、脱原発について学んでいこうという団体。活発に勉強会を実施しています。とはいえそれだけでは不十分だということにも気づいていました。そんなときに出会ったのが調布未来のエネルギー協議会、通称えねきょうです。
「えねきょうは、あえて脱原発ではなく『まちづくり』をすることを目的にしていて、そのための手段が『再生可能エネルギー』だというスタンスをとっています。しかも市内で発電事業を実践につなげているところが素晴しいと思いました」
えねきょうとの出会いが、菅野さんの世界を広げました。単なる理想主義ではなく、採算も考えた冷静な事業展開の重要性をあらためて感じ、これからどう行動するかを考え始めています。
「今、『原発のない暮らし@ちょうふ』で知り合った建築家の方を中心としたメンバーで取り組んでいるのがゼロエネルギーハウス、名付けて『えねこや』プロジェクトです。『えねこや』とは電力を自給自足し、少ないエネルギーで気持ちよく暮らせるという小屋のこと。コンパクトな小屋に断熱を施すことで気密性を高め、涼しさ、暖かさをキープします。軒や庇、植物などで日当りを調整したり、窓やドアを四方に設けて通風も確保します。そして太陽光発電パネルと蓄電池、太陽熱温水器やペレットストーブ、雨水利用などのエコ設備も適宜設置します。私たちは、まずは試験的に作ってデータを取り、実現に向けてその検証をしていく計画です」
「えねこや」は再エネではなく省エネの考えに基づくもの。いずれは地域の空き家を減築して活用することも視野に入れています。そして子育てカフェなど市民の居場所としての運営も検討しているのだそう。
「多くの人に使ってもらうことで、エアコンでは得られない快適さを体験してもらえれば」と菅野さん。
小さいエネルギーで生活できる「えねこや」の実現が、がぜん楽しみになってきましたね!
「難しい顔をして活動するより、わくわく、楽しんで活動していきたいと思っています」(菅野さん)
◎とにかく調布で暮らしたいと思ったわけ
菅野さんはご夫婦で自然が大好き。週末はよく子どもたちを連れてキャンプに出かけていたのだそう。
「もちろん毎週キャンプというわけにもいきません。緑豊かな公園へよく遊びに行っていました。都心で暮らしていたのですが、実はそのころから野川公園が大好きだったんです。『野川公園の近くに住みたい!』という思いがつのり、上の子どもが中学校に上がるタイミングでこちらに引っ越しました。ところがすでに下の子も小学校5年生になっていましたので、家族で公園へ出かけることはめっきり減ってしまって…。調布に来てからは、数えるほどしか行けていません。近くて遠い野川公園になってしまいました(笑)」
現在「原発のない暮らし@ちょうふ」という団体で積極的に活動しているという菅野さん。とはいえ、エネルギーに関心を持ち始めたのは原発事故以降なのだとか。
「私はごく普通の専業主婦で、活動などまったく縁のない暮らしをしていました。原発は何となくいやだな、と思っていた程度です。関心を持つようになったのは1999年の東海村JCO臨界事故がきっかけです。ちょうど家を探しているところだったので、せめて自分の家はと太陽光パネルを設置しました。それでもまだ、原発についての活動をしようなどとは思ってもいませんでしたけれどね」
活動のきっかけになったのは、2011年3月11日の東日本大震災による福島原子力発電所の事故でした。
「事故があって、それまで原発に無関心だったことへの罰かもしれないと思いました。声を上げることはしなかった自分にも責任はあるなと」
そんな思いから「原発都民投票」を実現するための署名活動に参加。この署名では22万筆、調布だけで1万筆が集まりました。しかし都議会で否決され都民投票は実現せず。「あんなに頑張ったのに…」と報われないことへの無力感はあったものの、活動を通して仲間と出会い「原発のない暮らし@ちょうふ」の活動をスタートさせました。
◎えねきょうとの出会いで、広がった世界
「原発のない暮らし@ちょうふ」は、自分たちの身近な暮らしから考え、脱原発について学んでいこうという団体。活発に勉強会を実施しています。とはいえそれだけでは不十分だということにも気づいていました。そんなときに出会ったのが調布未来のエネルギー協議会、通称えねきょうです。
「えねきょうは、あえて脱原発ではなく『まちづくり』をすることを目的にしていて、そのための手段が『再生可能エネルギー』だというスタンスをとっています。しかも市内で発電事業を実践につなげているところが素晴しいと思いました」
えねきょうとの出会いが、菅野さんの世界を広げました。単なる理想主義ではなく、採算も考えた冷静な事業展開の重要性をあらためて感じ、これからどう行動するかを考え始めています。
「今、『原発のない暮らし@ちょうふ』で知り合った建築家の方を中心としたメンバーで取り組んでいるのがゼロエネルギーハウス、名付けて『えねこや』プロジェクトです。『えねこや』とは電力を自給自足し、少ないエネルギーで気持ちよく暮らせるという小屋のこと。コンパクトな小屋に断熱を施すことで気密性を高め、涼しさ、暖かさをキープします。軒や庇、植物などで日当りを調整したり、窓やドアを四方に設けて通風も確保します。そして太陽光発電パネルと蓄電池、太陽熱温水器やペレットストーブ、雨水利用などのエコ設備も適宜設置します。私たちは、まずは試験的に作ってデータを取り、実現に向けてその検証をしていく計画です」
「えねこや」は再エネではなく省エネの考えに基づくもの。いずれは地域の空き家を減築して活用することも視野に入れています。そして子育てカフェなど市民の居場所としての運営も検討しているのだそう。
「多くの人に使ってもらうことで、エアコンでは得られない快適さを体験してもらえれば」と菅野さん。
小さいエネルギーで生活できる「えねこや」の実現が、がぜん楽しみになってきましたね!
「難しい顔をして活動するより、わくわく、楽しんで活動していきたいと思っています」(菅野さん)