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えねきょう「中のヒト」インタビュー(12)運送会社での経験が環境問題に関心を持つきっかけに 佐橋正文さん

仕事から得た環境への気づき

一般社団法人調布未来のエネルギー協議会には、さまざまな入り口から環境やエネルギーに関心を持ち、活動している人たちが集っています。今回、お話を伺ったのは佐橋正文さん。長年、運送会社に勤務していて、海外での経験もある方です。

えねきょう「中のヒト」インタビュー(12)運送会社での経験が環境問題に関心を持つきっかけに 佐橋正文さん




「私が環境に関する活動を始めたのは、運送会社に勤務する中、空気を汚さない仕組みや燃料に関心を持つようになったからです。ジメチルエーテル(以下DME)という合成燃料があるのをご存知でしょうか。ディーゼル車の燃料は軽油ですが、排気ガスに含まれる有毒物質が空気を汚し、健康を害するとして問題になっています。このDMEは有害物質がまったく出ないとされていて、燃費もよいのです。また、有機物を材料とした合成燃料ですので、極端な話、ゴミや汚泥からでも作ることができるという優れた燃料なんですよ」(佐橋さん)

「再エネ」としても有望な燃料なのですね。一般社団法人日本DME協会http://japan-dme.or.jp/という団体もあり、トラックや燃料のメーカーが名前を連ねています。とはいえ、国が力を入れているのは「水素」。DMEがこれからどのように活用されていくか、注目されるところです。

「DMEは石油や石炭からも生成できますが、それではカーボン・オフセットにはなりません。私としてはDMEをバイオマスで作ることができたらと考えています」

えねきょう「中のヒト」インタビュー(12)運送会社での経験が環境問題に関心を持つきっかけに 佐橋正文さん




自宅マンションの共用部をLEDに



佐橋さんは、えねきょうが創設された直後からのメンバー。ひときわ意識が高く、日々の生活の中でも省エネルギーに力を入れているのだそう。

「昨年、現在暮らしているマンションの管理組合で理事長になりました。そこで早速、マンションの共用スペースの電球をLEDに変えることを提案、実行しました。効果を実証するために、電気代の推移などデータをとっていて、現状では3割ほど電気代が節約できていることがわかりました。この計算で考えると、3年ほどで電球代金の元が取れることになります」

佐橋さんのマンションで記録されているLEDによる電気代のデータは、えねきょうにも提供。今後の事業に活かしうるデータであり、大変貴重なものと評価されています。
共用部分で省エネするぐらいですから、ご自宅ではかなりの省エネを実行しているのでしょうか?

「少しずつですが省エネを実行しています。たとえば切れた電球からLEDに変えたり、最近は電気釜でご飯を炊くのをやめたり。ご飯は厚手の鍋で1合ずつ炊いているんですよ。電気のアンペアも20Aまで下げました。そのため、電気製品をいくつも同時に使うことはできず手間もかかります。しかし、結果として環境に負荷がかからないのですから続けるつもりです。私は、国としての温暖化防止への取り組みは十分ではないように思っています。省エネより経済優先しなくてはという風潮もありますが、温暖化防止に取り組むことで新しい技術が生まれ、結果として経済的に豊かになることも考えられるのですから」

おだやかな表情の佐橋さんですが、その奥底には環境を守りたいという熱い思いが感じられました。


地域に根ざした活動も



佐橋さんは調布市つつじケ丘に生まれ育ち、就職後しばらくは転勤族として調布を離れていましたが18年前からまた同じつつじケ丘に暮らしています。

「今は出身校でもある滝坂小学校の地区協議会にも参加しています。それからつつじケ丘駅前で活動している『つつじケ丘花のまちプロジェクト』のメンバーとして花を植えるボランティア活動もしています。つつじケ丘の駅も新しくなって、毎年やってきていたツバメももう来ないのかなあと思っていたら、ちゃんと帰ってきてくれました」

えねきょう「中のヒト」インタビュー(12)運送会社での経験が環境問題に関心を持つきっかけに 佐橋正文さん

温暖化という地球規模の課題も、まずは足元から。日々の実践を続ける佐橋さんは、これからもえねきょうの主軸メンバーとして活躍されるに違いありません。



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