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えねきょう「中のヒト」インタビュー(10) 発電事業実現のキーマン 梶原良介さん

調布市深大寺に本社を構える、株式会社調布清掃の代表取締役・梶原良介さんは、えねきょうの創設メンバー。地域の仲間が力をあわせ、短期間に実現した調布市における分散型メガソーラー事業のキーマンでもある梶原さんにお話をうかがいました。

えねきょう「中のヒト」インタビュー(10) 発電事業実現のキーマン 梶原良介さん


◎よきパートナーとの出会い

株式会社調布清掃の代表として、260人ほどの社員のトップである梶原さん。先々代が創設して以来51年の、歴史ある企業です。

「当時、祖父がリヤカー1台で始めた会社です。そのリヤカーは今も倉庫に置いてありますが、社員がピカピカに磨き、メンテナンスしているので新品同様なんですよ(笑)。旧社屋には初代が植えた柿の木があって、2年に1回は大豊作。味も抜群に美味いんですよ」

社員のみなさんが、会社を大事に思っている証拠ですね。調布清掃の現社屋は、2年ほど前に新築されたばかり。清潔感あふれたたたずまいは、「素直さ」「正直さ」を大事にしている社風がにじみ出ているかのようです。ゴミの収集だけでなく、処理やリサイクルといった事業まで幅広く手がけているということは、環境に対してもひとかたならぬ思いがあるのでは?

「わが社は確かに環境保全の一端を担っているかもしれません。とはいえエネルギーという課題と地続きだという感覚もありません。エネルギー事業については、うちの会社の一枚看板で取り組むのは難しいところもあります。そういう意味で、えねきょうは素晴しいパートナーなのです。僕がえねきょうに関わったきっかけは、代表の小峯さんの存在が大きいですね。小峯さんとは調布市青年会議所(以下JC)で出会いました。そこで出会った4人が、今のえねきょうの中心メンバーです」


◎「神がかり」なタイミングで実現した地域発電事業

メンバーそれぞれがスペシャリストの集団ともいえるJC。梶原さんは、調布における「分散型メガソーラー発電事業」を行政に橋渡しする重要な役割を担うことになりました。

「ある日、小峯さんが前職を辞め、地域で環境、エネルギーに関する事業を始めたいと打ち明けてくれました。コミュニティでエネルギーを持ちたい、これからの時代はエネルギーなのだと言うのです。話を聞いた僕たちはみな『いいじゃないか』とすぐさま賛同しました。内心、6割ぐらいの感じで無理なのではないかとも思っていたんですけれどね(笑)。そんな中、JCのメンバー4人でああでもない、こうでもないと事業案を練り、まずは市役所の所轄課に話だけでもしてみようとなったのです」

梶原さんが、事業を通して市役所と日頃の付き合いがあったから、担当者との面会はスムーズ。そしてそこでまさに「神がかり」な出来事が!

「本当に偶然なのですが、私たちが市役所に行った日の午前中に、役所内でCO2削減の取り組みのひとつとして、エネルギーに関する事業を市民といっしょにできないか、という話が出たというのです。ただ、どこの誰にそれを頼めるのかが難しいという話になっていたのだとか。そこへ、私たちが訪ねて行った。やる気のある市民が、そういう人たちを捜している行政のもとへひょっこりやって来たというわけです」

その後の進展はスピーディ。打ち合わせを重ねる中で事業はどんどん具体的に動き始めました。そしてさらにタイミングが合ったのは環境省の補助金です。申請まで2週間しか時間がなかったにも関わらず、なんとか射止めることができたのです。こうして、調布市の公共施設の屋根を借りて行う「分散型メガソーラー事業」が実現にこぎつけました。



「行政との出会い、補助金と、すべてがダイナミックに動きました。行政担当の方のご苦労は、前例がない事業だけに大変だったと思います。担当課長が、たまたま建築関係の専門性をお持ちだったことも、事業の推進につながりました。もはやこの事業の実現は、運命だったと言ってもいいぐらいです」

えねきょう「中のヒト」インタビュー(10) 発電事業実現のキーマン 梶原良介さん




◎地中熱エネルギーのヒートポンプも設置

現在、梶原さんはえねきょうの理事として、さらなる地域エネルギー事業の検討、推進に力を入れています。その1つが調布清掃の新社屋に設置された「地中熱エネルギー」を利用するための設備です。地熱発電とは違うんですよね?

「地中の温度は年間を通しておよそ15度前後と安定しています。夏は外気より涼しく、冬は温かいというこの温度差を利用するというのが、地中熱エネルギーの考え方です。現在、調布清掃ではオフィスのエアコンに利用しています。この建物は、東京都の「エコアクション21」の認証も受けているんですよ。
地中熱エネルギーを使うことに決めたのも、小峯さんの提案がきっかけでした。半額程度ですが補助金も取れそうだったし。まだこれからの分野ですが、経済的効果、環境効果はもちろんですが、えねきょうのメンバーとして、啓蒙活動にもつながると考え、やってみようと思いました」

えねきょう「中のヒト」インタビュー(10) 発電事業実現のキーマン 梶原良介さん


えねきょう「中のヒト」インタビュー(10) 発電事業実現のキーマン 梶原良介さん


▲社屋の一角にある、地中熱エネルギーのヒートポンプと解説パネル。


新社屋の屋上にはもちろん、ソーラーパネルも設置されています。また調布清掃として群馬県に2000坪ほどの土地を縁あって借り、太陽光発電事業も行っているのだそう。

「群馬県での発電、地中熱エネルギーの取り組み、そしてえねきょうとのつながりなどについては、社内報を通して社員にも伝えています。会社が別の分野でも地域や環境に貢献していることは、社員にとっても自信につながるのではないかと思います」

えねきょう「中のヒト」インタビュー(10) 発電事業実現のキーマン 梶原良介さん



▲群馬県高崎市の太陽光発電施設の写真を持つ梶原さん。


エネルギーを通して地元への貢献を実現している梶原さんは、地元調布生まれの調布育ち。

「調布が大好きです。調布から出たことがないので説得力はないかもしれませんが、調布は人がいいし、ノリがいい。『いいじゃないか、やってみようよ』という気質があります。互いの違いを認めながら、ときにはパートナーを組める。えねきょうの事業も含め、『いいだろう』って自慢したいですね」












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