えねきょうの「中のヒト」インタビュー(4) スピーディに事業を進めるえねきょうの「ブレーキ役」山口昌之さん
今回は、調布市布田で「リカーショップYamaguchi」を営む山口昌之さんにインタビュー。えねきょうでは市民委員としてえねきょうの運営に参加しています。エネルギー問題に熱い思いを持つメンバーの中で、「エネルギー問題にそこまで特別な思いはない」と言う山口さん。その理由をじっくり伺いました。
◎きっかけは、「エネルギー問題への関心」ではなく…
山口昌之さんは、えねきょう事務局がある調布駅前からほど近い、旧甲州街道沿いの酒屋さんの店主です。地域の酒屋さんとして、調布に暮らす方々にはおなじみのお店かもしれません。
山口さんがえねきょうの「中のヒト」になったきっかけとは?
「調布市青年会議所で小峯さん(現えねきょう代表)と出会いました。当時、彼はまだ会社勤めをしていてね。ちょうどひとまわり歳の差があるので、かわいい後輩という感じでした。ある日、会社を辞めて事業を始めると相談されました。当時から、小峯さんには“やると決めたら、必ず実現する人”と一目おいていたので、彼が始める事業だったら協力したいと思ったのが、えねきょうに参加したきっかけです」
えねきょうメンバーには、それぞれが得意や人柄を生かした役割がありますが、山口さんの役割はどのようなものなのでしょう。
「小峯さんは考えたことを実現していくスピードがかなり速い。だから周りの人がついていくのが大変なこともあるんです。だから、私のような人間が“ブレーキ役”として、近くにいることにも意味があるはず」
どちらかというと、代表の人間性、事業の実現性に共感して、えねきょうに参加した山口さん。これまでインタビューさせてもらった「中のヒト」のみなさんは、エネルギー問題に対してそれぞれ熱い思いを抱き、「地域からその問題に取り組みたい」というビジョンを胸に活躍しています。ところが山口さんは…。
「もちろん、エネルギーについては一人ひとりが考えなくてはならない、重要な問題のひとつです。私もエネルギーについて考えることはたくさんあります。でも、えねきょうにはそれらをしっかり考えている人や専門家がたくさんいますから」と、あくまでもクールです。
リカーショップYamaguchiの外観。お酒だけでなく、できたてのお豆腐やめずらしいラーメン、コンビニのラインナップとは違うお菓子なども購入できます。
◎「自立」のひとつとして、エネルギー問題は大切な要素
山口さんは、「ひとりひとりが自立した社会」が本当の意味で理想的だと考えています。ここでいう「自立」とは、何かに依存せず、自分自身の考えをもとに選択したり、つくりだしたりして生きていく能力を培うことだそう。これは、私たちの生活をとりまくすべてにつながる概念です。山口さんは、そういった社会をつくるための活動に積極的に参加しているそうです。
「自立した社会の実現」は、えねきょうが取り組むエネルギー問題にもあてはまります。これから始まる電力の自由化では、私たちはどの電気を選ぶか選択しなくてはなりません。その選択肢のひとつとして、地域でつくられた再生可能エネルギーを提供すること。山口さんは、この選択肢をつくる団体のひとつとしても、えねきょうの活動に共感しています。
「電気は私たちの生活の柱のひとつ。なくなったら今まで通りの生活は維持できないからね。だからエネルギー問題はすべての人が考えなくてはならない大事なこと。エネルギーに対して、“なんとなく”ではなく自分の考えを持って選び取り、その結果に責任を持つ人が増えることは、自立への第一歩、社会の自立につながると思うんです」
「自立といっても、いわゆる“自給自足”とは意味が違います。あくまでも主体的に物事にとりくむ姿勢なのです」と山口さん。エネルギーもまた社会が抱くさまざまな「選択すべき事項」のひとつであり、選択することが自立を促すと考えているのです。
「自立した社会」というと、スケールが大きく難しく感じますが、実は山口さんの子育て論にも通じるものがありました。
「自立を促すという点では、私が子育てをしていたころの考え方と同じです。親の役目は、自分の思い通りに育てようとするのではなく、選択する力を付けさせてあげること。そして、選択するきっかけをつくってあげること。つまり親は、子どもの自立をサポートするだけなんです」
※山口さんはふたりのお子さん(ふたりとも成人しているそうです)のお父さんでもあります。
そんな山口さんに今後のえねきょうでの展望を伺ったところ、やはりという答えでした。
「何をするかは、ほかのメンバーが決めること。私はあくまでブレーキ役としてサポートしながら、ときには口を出して見守っていきたいです」
店頭で販売している「愉しみ工房NoaNoa」のパン。障がい者就労支援施設でつくられたものですが、山口さんは支援のためだけでなく、ひとつの仕入先として味や流通システムに納得いく状態であることを確かめ、お店に置くとにしたそうです。これは、私たちが「いいな」と思って「選ぶ」たことにもつながりますね。
◎きっかけは、「エネルギー問題への関心」ではなく…
山口昌之さんは、えねきょう事務局がある調布駅前からほど近い、旧甲州街道沿いの酒屋さんの店主です。地域の酒屋さんとして、調布に暮らす方々にはおなじみのお店かもしれません。
山口さんがえねきょうの「中のヒト」になったきっかけとは?
「調布市青年会議所で小峯さん(現えねきょう代表)と出会いました。当時、彼はまだ会社勤めをしていてね。ちょうどひとまわり歳の差があるので、かわいい後輩という感じでした。ある日、会社を辞めて事業を始めると相談されました。当時から、小峯さんには“やると決めたら、必ず実現する人”と一目おいていたので、彼が始める事業だったら協力したいと思ったのが、えねきょうに参加したきっかけです」
えねきょうメンバーには、それぞれが得意や人柄を生かした役割がありますが、山口さんの役割はどのようなものなのでしょう。
「小峯さんは考えたことを実現していくスピードがかなり速い。だから周りの人がついていくのが大変なこともあるんです。だから、私のような人間が“ブレーキ役”として、近くにいることにも意味があるはず」
どちらかというと、代表の人間性、事業の実現性に共感して、えねきょうに参加した山口さん。これまでインタビューさせてもらった「中のヒト」のみなさんは、エネルギー問題に対してそれぞれ熱い思いを抱き、「地域からその問題に取り組みたい」というビジョンを胸に活躍しています。ところが山口さんは…。
「もちろん、エネルギーについては一人ひとりが考えなくてはならない、重要な問題のひとつです。私もエネルギーについて考えることはたくさんあります。でも、えねきょうにはそれらをしっかり考えている人や専門家がたくさんいますから」と、あくまでもクールです。
リカーショップYamaguchiの外観。お酒だけでなく、できたてのお豆腐やめずらしいラーメン、コンビニのラインナップとは違うお菓子なども購入できます。
◎「自立」のひとつとして、エネルギー問題は大切な要素
山口さんは、「ひとりひとりが自立した社会」が本当の意味で理想的だと考えています。ここでいう「自立」とは、何かに依存せず、自分自身の考えをもとに選択したり、つくりだしたりして生きていく能力を培うことだそう。これは、私たちの生活をとりまくすべてにつながる概念です。山口さんは、そういった社会をつくるための活動に積極的に参加しているそうです。
「自立した社会の実現」は、えねきょうが取り組むエネルギー問題にもあてはまります。これから始まる電力の自由化では、私たちはどの電気を選ぶか選択しなくてはなりません。その選択肢のひとつとして、地域でつくられた再生可能エネルギーを提供すること。山口さんは、この選択肢をつくる団体のひとつとしても、えねきょうの活動に共感しています。
「電気は私たちの生活の柱のひとつ。なくなったら今まで通りの生活は維持できないからね。だからエネルギー問題はすべての人が考えなくてはならない大事なこと。エネルギーに対して、“なんとなく”ではなく自分の考えを持って選び取り、その結果に責任を持つ人が増えることは、自立への第一歩、社会の自立につながると思うんです」
「自立といっても、いわゆる“自給自足”とは意味が違います。あくまでも主体的に物事にとりくむ姿勢なのです」と山口さん。エネルギーもまた社会が抱くさまざまな「選択すべき事項」のひとつであり、選択することが自立を促すと考えているのです。
「自立した社会」というと、スケールが大きく難しく感じますが、実は山口さんの子育て論にも通じるものがありました。
「自立を促すという点では、私が子育てをしていたころの考え方と同じです。親の役目は、自分の思い通りに育てようとするのではなく、選択する力を付けさせてあげること。そして、選択するきっかけをつくってあげること。つまり親は、子どもの自立をサポートするだけなんです」
※山口さんはふたりのお子さん(ふたりとも成人しているそうです)のお父さんでもあります。
そんな山口さんに今後のえねきょうでの展望を伺ったところ、やはりという答えでした。
「何をするかは、ほかのメンバーが決めること。私はあくまでブレーキ役としてサポートしながら、ときには口を出して見守っていきたいです」
店頭で販売している「愉しみ工房NoaNoa」のパン。障がい者就労支援施設でつくられたものですが、山口さんは支援のためだけでなく、ひとつの仕入先として味や流通システムに納得いく状態であることを確かめ、お店に置くとにしたそうです。これは、私たちが「いいな」と思って「選ぶ」たことにもつながりますね。