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コラム

えねきょうの「中のヒト」インタビュー (1) 事務局担当はワーキングママ!稲田恵美さん

今月からえねきょう事務局メンバーに仲間入りした稲田恵美さん。プライベートでは小学1年生と6年生の男の子を育てる働くお母さんです。前職は調布にオフィスのある外資系ソフトウェア企業の社員でした。今回は、彼女が自然エネルギー事業に携わりたいと思った理由にせまります!



調布で、環境分野の仕事をして世の中の役に立ちたい

「前の会社には大学卒業後の新卒社員として入社し、17年間お世話になりました。海外との電話会議は時差の関係で夜になることもあり、帰宅後家事をしながらヘッドセットを付けて会議に参加することもありました(笑)」

バリバリな働きぶりをサラリと語る稲田さんは、この10月にえねきょうの事務局を担ってもらっている「株式会社エコロミ」に入社したルーキーメンバーです。

それまでのお仕事は働くお母さんにはハードな業務でしたが、さらに社屋が都心に移転することが決まったこともあり、それをきっかけに退職を決めました。そして始めた転職活動では、「調布で働きたい」「環境分野で世の中の役に立つことを仕事にしたい」という2つの思い叶える仕事を探したのだそう。やがて「ちょうふどっとこむ」で求人を発見!以前からえねきょうの活動に興味を持ち、えねきょうのセミナーに参加していたこともあったので、その事務局がある会社ならと迷うことなく応募しました。

それにしても、パソコンのソフトウエア開発をしていた稲田さんが、なぜ分野の全く違う環境関係の仕事をしたいと考えるようになったのでしょう。

「以前の職場ではやりたいことはすべてやったという達成感があったので、次は子どもたちの将来のためになにかできることはないかと考えていました。実は、私はこのところの夏の猛暑が大の苦手なんです。毎年夏が来るたびに『環境のために何かしなければ!』と思っていました。ここのお仕事は、私たちが過ごす地域の環境を守り良くしていこうとするもの。自分なりに環境への思いを持って取り組めるので、やりがいを感じています」

稲田さんの願いが叶い、晴れて今月から株式会社エコロミに入社。一般社団法人調布未来のエネルギー協議会(えねきょう)のメンバーにも加わり、事務局の運営に関わるようになりました。

女性目線&母親目線でえねきょうのことを伝えたい!

稲田さんはえねきょう事務局として、これからどのようなことをやりたいのでしょう。

「まだ担当になったばかりで試行錯誤中ですが、まずは来年度に予定している児童館などでのイベントで、自然エネルギーのことをわかりやすく説明できるようになりたいですね」と、にっこり。

えねきょうでは、調布市内の公共施設の屋根を利用したメガソーラー事業の一環として、ソーラーパネルを設置している児童館で、子どもと保護者向けの説明会を予定しています。自然エネルギーについては専門用語も多く、理解していただくためには説明に工夫が必要。2児の母である稲田さんがメンバー入ったことで、女性目線と母親目線から今まで以上にわかりやすく伝えることができそうです。子どもたちはもちろん、お母さんたちにとってもうれしいことではないでしょうか。

主婦のみなさんには“節エネ”がおすすめ!

かねてから環境保全に関心が深かった稲田さん。日々の生活でも、個人レベルで行っていることがたくさんあるそうです。

「週末は調布産の野菜を買うために、自転車で直売所めぐりをしています。地元に貢献したいという気持ちもありますが、何より身近な場所で栽培された野菜について家族で話せることは、子どもたちへの食育の観点からもありがたいこと。普段の生活の延長線上で、自然や環境について学べることはたくさんありますよね」

特別なこととしてではなく、“生活の延長線上で構えずに実践”というのが稲田さんのモットー。えねきょうの活動に対してもそんなスタンスで多くの人に理解してもらいたいそうです。

「屋根の上にソーラーパネルを設置しましょうと言われても、様々な理由ですぐにできる方はとても少ないですよね。実は我が家もそうです。エネルギーをつくりだすことは“創エネ”というのですが、私たちレベルではまずは“節エネ”(=エネルギーを節約すること)がすぐにできる環境への寄与です。結果もすぐに出ますし、ちょっとした生活のコツで実践できます。そんなことも主婦として伝えていきたいです」

2年後には「電力自由化」が始まり、地元の野菜を購入するような感覚で自然エネルギーを選ぶことができる時代になります。今まで以上に、世の中の電力やエネルギーに対する意識も変わっていくことでしょう。調布に住む多くの方が、エネルギーについて知りたくなったらえねきょうのサイトを訪れたくなるような、わかりやすくためになる内容を今後発信していきたいと、語ってくれました。

節エネのテクニックやエネルギーについてのわかりやすい解説などもこのサイトで展開を予定しています。稲田さんの加入でパワーアップしたえねきょうのこれからに、どうぞご期待ください!  


  • 【コラムvol.3】 えねきょうの次なるテーマ「食品残渣バイオマスエネルギー」

    今回のコラムでは、えねきょうが取り組んでいる新しい事業である「食品残渣バイオマスエネルギー」についてご紹介します。




    ◎「バイオマスエネルギー」とは

    バイオマスとは、家庭や飲食店などから出る生ごみや、植物の葉っぱや木くず、家畜の排せつ物などの、植物や生物由来の再利用可能な資源のこと。捨てるとただのゴミになってしまいますが、エネルギー源として活用すれば貴重な資源になります。

    バイオマスから得られるエネルギーのことをバイオマスエネルギーといいます。
    生ごみや木くずは、専用の設備で発酵させると、ガスや熱が発生したり液体燃料になることからそう呼ばれています。

    バイオマスは、今私たちが使っているエネルギー源の大半である石油や石炭のように有限な資源ではなく、再生可能な資源です。燃焼時に二酸化炭素を排出しますが、植物としての成長過程において光合成で二酸化炭素を吸収しているため、いわゆる「カーボンニュートラル(※)な資源」と考えられます。つまりバイオマスエネルギーは、太陽光と同様に環境にやさしい再生可能エネルギーなのです。

    エネルギーではありませんが、一部のバイオマスは発酵と養生により、堆肥として農作物の有機肥料になったり、トウモロコシでんぷんが生分解性プラスティックになったりもします!再利用すれば様々な分野で活躍すると知ると、ごみとして捨ててしまうのはもったいない気がしてきませんか?

    ◎神戸と富山に視察に行ってきました!

    えねきょうでは、調布市内でのバイオマスエネルギー事業の実現に向けて、数人のメンバーが神戸と富山に視察に行ってきました。

    神戸では、コープこうべ六甲アイランド食品工場の食品廃棄物処理設備を視察。ここでは、コープこうべで販売する大豆製品を豆腐などに加工しており、食品残渣(ざんさ)として生おからが1日11トン、生ごみが2.5トン、お惣菜の揚げ物をつくったあとの廃油が200リットルほど発生しています。

    廃油は燃料として再利用し、生おからは乾燥させて家畜の飼料等に。そして生ごみは専用の発酵設備で処理をしてバイオガスを発生させ、1日あたり1440kWh(一般的な4人家族の電気使用量だと、40日分)の電力をつくり、工場内で有効活用しているそうです。


    左:コープこうべ六甲アイランド食品工場のメタン発酵設備。
    右:メタン発酵槽の発酵液を特別に出してもらいました。かなりきつい臭いでしたが、臭いは外部に漏れないよう管理されています。



    富山では富山グリーンフードリサイクル株式会社という民間企業が運営しているバイオマスエネルギー事業を視察しました。一般家庭や商業施設、食品工場などから発生した生ごみを、バイオガスや堆肥にしています。


    左:大きな筒状の「メタン発酵槽」で食品残渣が発酵し、バイオガスが発生します。奥の丸いタンクがバイオガスの貯蓄タンクです。
    右:富山グリーンフードリサイクル株式会社さんにて。丁寧に説明をしていただきました。


    これらの取り組みは、バイオガスを発生させてエネルギーに変換するだけでなく、焼却処理したり埋め立て処分される「ゴミ」の減量につながります。また、良質な有機肥料として土に返すことができるので、資源の有効活用だけにとどまらない意義があると言えます。

    ◎調布でも、実現に向けて検討中です

    調布市とえねきょうは今年度、小規模分散型メガソーラー事業に続く地域主導の取り組みとして、食品残渣バイオマスエネルギーを利用した事業化計画を検討中です。

    小規模分散型メガソーラー事業につづく「調布モデル」が誕生するかもしれません。進捗状況は随時このWEBページでも公開しますので、今後の行方にご注目ください!

    ※カーボンニュートラル:一連の人為的行為によって排出される二酸化炭素と、吸収される二酸化炭素が同じ量であるという概念のこと。  


  • 【コラム】vol.2 「調布モデル」として世界が注目!「分散型メガソーラー事業」

    コラム第2回は、私たちの住む街「調布」で今年度始まった「分散型メガソーラー事業」について解説します。
    分散型?メガソーラー?と、聞きなれない言葉が並ぶため、わかりにくい印象かもしれません。




    ◎「分散型メガソーラー事業」とは

    えねきょうのWEBサイトなどでも告知していますし、ニュースなどのメディアでもたびたび登場している、調布の「分散型メガソーラー事業」。

    メガソーラー事業とは、その名の通り大規模な(メガ)太陽光(ソーラー)発電による事業のこと。調布市内では、34か所の公共施設の屋上部分にソーラーパネルを設置。発電出力1MW(メガワット)弱、年間の発電量は約100万KW(キロワット)で、一般家庭約270世帯分を発電する設備として2014年6月から稼働しています。

    この事業は調布市と協定を結んでいる非営利型の「調布まちなか発電非営利型株式会社」が運営母体になっています。非営利型株式会社という事業形態を取っている理由は、今後電力を販売して得た剰余利益を、全て地域に還元していきたいと考えているから。公共施設の屋上という、私たちみんなの施設を使ってできたエネルギーだから、「利益は地域に返す」という確固とした方針のもと、設置・運営されているのです。

    公共施設の屋上での発電には、もう一つのメリットがあります。それは、災害時などの停電時であっても、晴れていれば電力をつくることができるということ。先日のえねきょうブログ「市民見学会レポート」にもあるように、例えば図書館佐須分館・佐須児童館であれば、壁に設置されたパワーコンディショナーを切り替えることで、屋根で発電した電力を直接利用することも可能です。災害時などの停電時の電力利用は、調布市との協定書にも入っているのです。

    太陽の光があればという前提ではありますが、避難場所としてまず頼りたい公共施設でいざというときに電気が使えれば、携帯電話の充電など必ず役に立ちます。西部公民館などでは、最大7,500W分の電気を使うことが可能です。


    ▲パワーコンディショナーにコンセントをつなぎ、電流のスイッチを切り替えると、電気を直接取り込むことができます。

    ◎なぜ注目されているの?

    メガソーラー事業をはじめとする太陽光発電事業は、いま日本各地で盛り上がりをみせています。東日本大震災もきっかけとなり、「より安全なエネルギーを」という意識がどんどん高まっている時期ともいえるでしょう。太陽光以外にも、安全でクリーンなエネルギーをつくりだす取り組みは、どんどん広がっています。

    「調布モデル」の太陽光発電事業が注目されているのは、1つは「分散型」というところ。そしてもう1つは「地域主導」というところです。

    調布には広い土地があるわけではなく、太陽光パネルを設置する場所が限られています。そこで、えねきょうでは前述した34か所の公共施設の屋根に分散して、パネルを設置することを提案しました。都市部の住宅地やオフィス街など、建物が密集した地域でも、屋根分散型であればメガソーラー事業が経営可能であることを証明したことは、とても画期的なことなのです。

    そして注目されているもう1つの理由は、こんな大規模な事業を、大企業でもなく、専門業者でもなく、地域住民が主体となって協議を重ね、ゼロから勉強して事業計画を立て、調布まちなか発電非営利型株式会社という事業主体を立ち上げ、数億円もの資金を調達して事業を行っている「地域主導型」であるところです。

    この2つが「調布モデル」として注目されているゆえんです。都会でもきちんと事業を成り立たせているパイオニア的存在として、ありがたいことに日本国内だけでなく世界からも熱い視線が注がれています。



    ▲先日も韓国のテレビ局から取材を受けました。

    2016年からは電力自由化も始まります。自分自身の判断でエネルギーを選択する時代になるのです。今使っている電力が、どこでどのようにつくられたものかを考えてみてください。もしそれが遠い土地の発電所で大規模につくられたものではなく、私たちの住む街でつくられたエネルギーだったとしたら、そしてやがてそれを選べる日がくるとしたら、とても素敵なことではないでしょうか。

    太陽光発電はさほど効率がよくないという声も聞かれます。しかし、仮に市内すべての建物の屋根に太陽光パネルが設置できれば、市内で使われる家庭用の電力はほぼすべてまかなえるだろうと試算しています。もちろん、現実的には難しいかもしれないですが、少なくとも「太陽光発電イコール環境にはいいけれど発電量が少ない」というイメージは払しょくされるのではないでしょうか。

    ◎えねきょうの未来予想図

    えねきょうは太陽光発電事業だけを推進する協議会ではありません。地域ならではの再生エネルギー事業を総合的に検討する団体です。すでに次なる再生可能エネルギー事業の可能性として、バイオマスエネルギーの事業化について検討を進めているところです。それについては、次回のコラムでご紹介しますので、どうぞお楽しみに!  


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  • 【コラム】Vol.1 「えねきょう」っていったい何をしているの?

    今月から、私たち「えねきょう」のことや自然エネルギーのことを、もっと知っていただくための情報をお伝えするコラムが始まります!

    第1回目のテーマは、

    「『えねきょう』っていったい何をしているの?」 です。





    ◎一般社団法人調布未来(あす)のエネルギー協議会(愛称:えねきょう)とは? 

    一般社団法人調布未来のエネルギー協議会(以下えねきょう)は、平成24年度環境省事業「地域主導型再生可能エネルギー事業化検討業務」に採択されたことにより、調布で実施可能な自然エネルギー事業を検討するために設立された団体です。翌平成25年5月には、発電事業による剰余利益を地域に還元したいという思いから「調布まちなか発電非営利型株式会社」を設立。同年11月に調布市と協定をむすび、市内公共施設の屋根を利用した「分散型メガソーラー事業」としての太陽光発電事業が実現することになりました。
    そしていよいよ今年4月から、市内34か所の公共施設の屋根の上に設置されたソーラーパネルによる太陽光発電所(出力およそ1MW弱)が稼働し始めています。

    「えねきょう」の事業は主に2つです。
    1つは上記のような「分散型メガソーラー事業」を行うため、市民主体の検討会議を、各種専門家、地域金融機関、行政などと一緒に行うこと。
    もう1つは、より多くの方にこの事業やエネルギーについて知ってもらう活動です。

    つまり、調布市内で行われている分散型メガソーラー事業を実際に手掛けているのが「調布まちなか発電非営利型株式会社」で、この事業の企画、運営、経営管理、広報活動を担っているのが「えねきょう」なのです。





    ◎「えねきょう」誕生のきっかけ

    「えねきょう」が何をしているかがわかると、次なるギモンはなぜ「えねきょう」を立ち上げたのか? ですね。代表の小峯充史に聞きました。

    「中学生ときに学校の授業で石油や石炭などが限りある資源だと知り、枯渇性エネルギーに対して漠然と不安を抱いていました。心の片隅にその不安な気持ちを持ちながらも、とくにエネルギーに関わる活動をすることもなく高校、大学と進み、サラリーマンとして働いてきました。そんな私が自然エネルギーを事業にしようと思った理由は『子どもたちの未来にきれいな環境を残したい』ということです。もちろん、はじめから環境や自然エネルギーを生業にできるとは思っていませんでした。しかし、サラリーマン時代に調布市青年会議所に参加するようになり、その活動を通してまちづくりの経験や地域のネットワークを得たことから、自然エネルギーを事業として成立させることができると確信したのです。」(小峯)

    私たちが取り組んでいる、調布市における分散型メガソーラー事業では、事業に伴う剰余利益は地域に還元するという方式をとっています。「自然エネルギー事業は、続けることで社会や地域に貢献ができ、子どもたちの未来に素晴らしい環境を残すこともできる。そこにやりがいを感じています。」(小峯)


    ◎同じような事業は調布以外の都市にもあるの?

    調布の「分散型メガソーラー事業」は東京都内では初の試みとしてとても注目されていますが、東京以外でも同じような活動があるのかが気になりますよね。

    日本国内では、長野県飯田市の「おひさま進歩エネルギー株式会社」、岡山県備前市の「備前グリーンエネルギー株式会社」、北海道「NPO法人北海道グリーンファンド」などが、地域主導で先駆的に自然エネルギー事業を営んでいる法人、団体です。

    それぞれの法人、団体が行うエネルギー事業の形態は「えねきょう」と全く同じではありませんが、各地で地域主導の事業が広がっていることは確かです。

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    ちょっと難しい「えねきょう」の仕組みや取組みについて、少しだけ理解を深めていただけたでしょうか。
    このコラムは、毎月1回のペースで掲載します。
    次回は、調布のような住宅地でも可能であるとして注目を浴び、「調布モデル」とも言われている分散型メガソーラー事業についてご説明させていただきます。  


  • 調布まちなか発電

    当協議会が運営する公共施設屋根借り太陽光発電事業会社です。

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