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【コラムvol.3】 えねきょうの次なるテーマ「食品残渣バイオマスエネルギー」

今回のコラムでは、えねきょうが取り組んでいる新しい事業である「食品残渣バイオマスエネルギー」についてご紹介します。

【コラムvol.3】 えねきょうの次なるテーマ「食品残渣バイオマスエネルギー」



◎「バイオマスエネルギー」とは

バイオマスとは、家庭や飲食店などから出る生ごみや、植物の葉っぱや木くず、家畜の排せつ物などの、植物や生物由来の再利用可能な資源のこと。捨てるとただのゴミになってしまいますが、エネルギー源として活用すれば貴重な資源になります。

バイオマスから得られるエネルギーのことをバイオマスエネルギーといいます。
生ごみや木くずは、専用の設備で発酵させると、ガスや熱が発生したり液体燃料になることからそう呼ばれています。

バイオマスは、今私たちが使っているエネルギー源の大半である石油や石炭のように有限な資源ではなく、再生可能な資源です。燃焼時に二酸化炭素を排出しますが、植物としての成長過程において光合成で二酸化炭素を吸収しているため、いわゆる「カーボンニュートラル(※)な資源」と考えられます。つまりバイオマスエネルギーは、太陽光と同様に環境にやさしい再生可能エネルギーなのです。

エネルギーではありませんが、一部のバイオマスは発酵と養生により、堆肥として農作物の有機肥料になったり、トウモロコシでんぷんが生分解性プラスティックになったりもします!再利用すれば様々な分野で活躍すると知ると、ごみとして捨ててしまうのはもったいない気がしてきませんか?

◎神戸と富山に視察に行ってきました!

えねきょうでは、調布市内でのバイオマスエネルギー事業の実現に向けて、数人のメンバーが神戸と富山に視察に行ってきました。

神戸では、コープこうべ六甲アイランド食品工場の食品廃棄物処理設備を視察。ここでは、コープこうべで販売する大豆製品を豆腐などに加工しており、食品残渣(ざんさ)として生おからが1日11トン、生ごみが2.5トン、お惣菜の揚げ物をつくったあとの廃油が200リットルほど発生しています。

廃油は燃料として再利用し、生おからは乾燥させて家畜の飼料等に。そして生ごみは専用の発酵設備で処理をしてバイオガスを発生させ、1日あたり1440kWh(一般的な4人家族の電気使用量だと、40日分)の電力をつくり、工場内で有効活用しているそうです。

【コラムvol.3】 えねきょうの次なるテーマ「食品残渣バイオマスエネルギー」 【コラムvol.3】 えねきょうの次なるテーマ「食品残渣バイオマスエネルギー」

左:コープこうべ六甲アイランド食品工場のメタン発酵設備。
右:メタン発酵槽の発酵液を特別に出してもらいました。かなりきつい臭いでしたが、臭いは外部に漏れないよう管理されています。



富山では富山グリーンフードリサイクル株式会社という民間企業が運営しているバイオマスエネルギー事業を視察しました。一般家庭や商業施設、食品工場などから発生した生ごみを、バイオガスや堆肥にしています。

【コラムvol.3】 えねきょうの次なるテーマ「食品残渣バイオマスエネルギー」 【コラムvol.3】 えねきょうの次なるテーマ「食品残渣バイオマスエネルギー」

左:大きな筒状の「メタン発酵槽」で食品残渣が発酵し、バイオガスが発生します。奥の丸いタンクがバイオガスの貯蓄タンクです。
右:富山グリーンフードリサイクル株式会社さんにて。丁寧に説明をしていただきました。


これらの取り組みは、バイオガスを発生させてエネルギーに変換するだけでなく、焼却処理したり埋め立て処分される「ゴミ」の減量につながります。また、良質な有機肥料として土に返すことができるので、資源の有効活用だけにとどまらない意義があると言えます。

◎調布でも、実現に向けて検討中です

調布市とえねきょうは今年度、小規模分散型メガソーラー事業に続く地域主導の取り組みとして、食品残渣バイオマスエネルギーを利用した事業化計画を検討中です。

小規模分散型メガソーラー事業につづく「調布モデル」が誕生するかもしれません。進捗状況は随時このWEBページでも公開しますので、今後の行方にご注目ください!

※カーボンニュートラル:一連の人為的行為によって排出される二酸化炭素と、吸収される二酸化炭素が同じ量であるという概念のこと。



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